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Shun (ESADE)

●基本情報

【ハンドルネーム】Shun

【進学校】ESADE Business School

【他の合格校】無し

【途中辞退】Haas, McDonough, Fisher, Manchester

【WL】無し

【不合格校】Kellogg, Kelley, Fuqua, UNC

【年齢・性別】33歳・男性

【職歴】住宅機器設備メーカー営業11年

【私費/社費】社費

【最終学歴】早稲田大学政治経済学部経済学科

【GPA】3.1

【TOEFL】98(R:28, L:22, S:20, W:28)

【GMAT】630(V:27, M:49, AWA:4.5, IR:5)

【海外経験】一切無し

【コメント】

 典型的な純ドメで、これ以上ないほど英語に苦しむ毎日でしたが、何とかヨーロッパのトップ校の1つに合格することができました。社費派遣ということでプレッシャーも尋常ではない中、「絶対にトップ校に合格する!」という強い思いだけは一度も崩しませんでした。低GPA、超低TOEFL、低GMATで何一つアドバンテージがありませんでしたが、営業で培ったフットワークの軽さと何にでもしがみつく積極的な姿勢が最終的には功を奏したと思っています。

 

 私ほど低いスタート地点から受験を始める人はほとんどいないでしょうから、誰にでもチャンスはあると思います。単に英語・学歴・知性だけではなく経験や信念次第でチャンスを得ることができるのがMBA受験です。社会人・人としての総合力で勝負!(とは言えスコアメイクができるにこしたことがありませんが・・)を私が常に頭の中に置いていたことです。頑張り続ければ必ず道は開けてきます!が、主旨に反するようですが「こうすれば」という方策は思い浮かびません。我々の失敗や遠回りを教訓にして、健康的に効率よく受験を進めて頂くのが私の願いです。

*私の経験は帰国子女など英語の得意な方にはあまり活きないと思います。純ドメの方、もしよろしければご一読下さい。

 

●なぜ今MBA?

 受動的な理由としては会社がドメスティックなマーケットからグローバル展開をこれから進めていく中で、MBA社費派遣制度を導入したことが目指すきっかけとなりました。その中で自分の年齢を考えた時に今(2年前)がラストチャンスだと感じ、すぐに行動に移しました。MBA留学体験記などを読み漁り、自分の人生を変える大きなチャレンジの定義付けを徹底的に掘り起こし、絶対にブレない思いと覚悟を持ちました。能動的な具体的理由は、①住宅産業初のグローバルカンパニーにチャレンジしたい、そのリーダーになりたい、②営業として社会人として緩んできた成長曲線をもう1度ストレッチしたい、③社内的に営業としての道を切り開きたい、④純ドメで知らない世界が多すぎて、もっと大きな世界・違う価値観に飛び込んでいきたい、⑤グローバルなネットワーキングを構築したい、⑥もう1度学生生活を送りたい、です。なぜ「今」かというと年齢的な限界と社内事情、営業として現場・顧客・市場・商品など一通りやりきったので、この時点で新たなステージにチャレンジすべきだと思ったからです。

 

●スケジュール・費用

・2012年4月 TOEIC勉強開始(社内選考基準がTOEICの点数だった為)、ちなみに高校受験以来の英語

・2012年5月 初TOEIC:500(早くも挫折する)

・2012年8月 TOEFL・GMAT勉強開始

・2012年10月 初GMAT:440(衝撃的すぎてあまり覚えていない)

・2012年12月 初TOEFL:44(試験中に涙が出てきそうになる)

・2013年1月 TOEIC:800, TOEFL:64, GMAT:530(この時点まで全て市販の教材等による独学)

・2013年3月 社内選考通過

・2013年4月 アゴスに通い、TOEFL・GMATのVの授業を全て受講(~12月まで)

・2013年7月 各校の説明会に参加し始める。エッセイ・レジュメも徐々に開始。

・2013年秋~2014年春 TOEFLで地獄を見る(7月:77, 8月:83, 9月:80, 10月:83, 11月:93, 12月:91, 1月:93, 2月:92, 3月:93, 4月:98)

・2013年秋~2014年春 GMATでも地獄を見る(9月:540, 10月:600, 11月:510, 12月:630, 1月620)

・2013年10月 アメリカトップ校にキャンパスビジット(HBS, Stanford, Haas, Kellogg, NYU, Columbia, MIT)

・2013年11・12月 スコメイクと並行してレジュメ・エッセイを仕上げる

・2014年1月 2nd 出願(Kellogg, Kelley, Fuqua)

・2014年1・2月 インタビューレッスン

・2014年3月 3rd出願(Haas, UNC, McDonough, Fisher, ESADE, Manchester)

・2014年3月 アメリカへUNC, Fuqua, Kelleyの面接ビジット、スペインにESADEの面接ビジット

・2014年4月 ESADEから合格を頂き、受験終了(他は受かる見込みも少なかったので全て辞退)

 

★費用350万円

・AGOS:110万円(TOEFL, GMAT)

・αリーダーズ:50万円(カウンセリング)

・受験費用:80万円(TOEFL20回, GMAT8回, 9校出願費)

・ビジット:70万円(計3回)

・インタビューレッスン:10万円

・その他諸経費30万円

 

●予備校選び

・2013年3月に社内選考に通った時点でもかなりTOEFLには自信がなく、一からスタートするためにも総合力があると感じたAGOSさんですぐにTOEFLとGMATの総合コースを受け始めました。4~9月までで一通りの授業を終え、その後も100点突破ゼミやTutorをお願いして受講していました。勉強面での予備校は最終的にAGOSさんのみで終えました。先輩方から途中であれこれ変えたりするのは良くないと言われて初志貫徹しましたが、予備校に関しては個人個人合う合わないが非常に大きいと思います。情報を集めて、自分に合う予備校があればすぐに変えてしまう勇気も必要だと思います。

 

●レジュメ

・最初はAGOSさんのカウンセリングでスタートしましたが、他の人からの勧めでαリーダーズさんという所で9月からカウンセリングを切り替えました。レジュメはアドミッションが一番先に読み、自分自身を評価される基盤になるものだから一番力を入れて書け!という指導のもと20回は作り直したと思います。徹底的に自分自身を見つめ直し、過去の経験・価値観から現在の自分・仕事があり、未来をどうしていきたいかということをこれでもかという程論理的に練り直しました。ここをしっかり作ったおかげでエッセイもすんなり書けましたし、その後の自分を紹介する場面やインタビューでも特別に困ることはありませんでした。私は純ドメで国内の中小企業が顧客の営業職の為、本当に特筆すべき点・功績などがなく、最初は何を書いていいかかなり苦労しました。ただロジックと具体的事例がしっかりクリアに表れていれば説得力はあるはずです。

 

●TOEFL

 人生で一番辛い経験は?と聞かれたら「TOEFL」と答えるかもしれない程苦労しました。。純ドメにとっては悪魔のようなテストだと思っています。重宝した茅場町・立川のテストセンターはもう訪れたくありません。ただMBA合格後の学生生活のことを考えると本当にいい経験・トレーニングになりました。ポイントはR,L,S,W全てをバランスよく向上させることで効率的に点数は上がっていくと思います。私はLがまず苦手で、最初はTOEFLのOGの音声を聞いても全く何を言っているのか聞き取れないレベルでした。またSとWも御多分に漏れずアウトプットが全くできない日本人という感じで歯が立たない日々の連続でした。2012年12月の初TOEFLが44点、とりあえずRだけは戦えそうでしたが、その後も8月に60点台に陥るなどどん底で、1年近く先が見えない状況でしたので、私が何を言っても説得力がないのですが、反面教師にして頂ければ幸いです。

 

・Reading

 ここは唯一受験で培った力が活きたセクションでした。基本はボキャブラリーの強化(約1万語)と文法の再確認だと思います。その基礎の上に速読・多読を重ねれば満点近くは純ドメでも取れるセクションなので、ぜひここで稼いでほしいと思います。毎日1時間は英文を読む時間を取れれば十分です。TOEFLのRはとにかく基本に忠実に解くことが大事で、主旨が読み取れれば大抵の問題は答えられます。時間が無くて焦りますが、常に主旨は何か、この問題はなぜこれを聞いているのかをすばやく捉えることができれば20点台後半はすぐに届くと思います。本当に難しい問題は42問中2~3問ですので焦らずタイムマネージメントをしましょう。

 

・Listening

 恥ずかしいお話ながら20回受験してLが20点を超えたのがたったの3回でした。いつまでたっても何を言っているのかさっぱり分からない、という感じでしたが、シャドウィングと音声の倍速を上げてのディクテーションなどで徐々に点数が上がってきました。耳ばっかりはしょうがいと割り切り、筋トレのようなシャドウィングをしながら、時には映画やTEDを聞いて楽しみながら聞いていたら、ある時から急に耳に入ってくるようになりました。受験終了後に受験したTOEFLのLが26まで上がったので、メンタル面も大きく影響していたのかと思います。よく聞こえるようになってきてから気づいたことは、結局Rと一緒で主旨さえ捉えることができればそこまで手強いセクションではないはずです。

 

・Speaking

 これまた大変な苦労を重ねたセクションです。2013年4月時点では、まだ恥ずかしくて人前では英語なんて喋れない、というレベルでした。AGOSのネイティブスピーカーとも会話なんてできない状況で、とにかく恥を捨てよう・話す機会を多く持とうということから始めました。レアジョブで毎日1時間、シャドウィングで発音の改良をして、ネイティブが間違えないであろう基本的な文法ミスを極力減らすよう努めました。Sは9点から始まり最終的には23点まで上がったので、とにかく純ドメにとっては数・経験が物を言うセクションだと思います。またどんな分野にも適応できる自分の得意パターンをいくつか用意しましょう。

 

・Writing

 Rで文法とボキャブラリーに自身のある方はうまく活かせるセクションだと思います。ただ仕事で英語を使っていないと、想像以上にタイピングに時間がかかるので、これは時間をかけて練習した方がいいでしょう。何かを覚えるときに常にタイピングする癖をつけると相乗効果でいいと思います。諸説ありますが、結局は量を打てた方が高得点に繋がるのは間違いないようです。英語の論理構成を間違えずに基本的なことをたくさんタイプすること、それだけで満点近くは取れるはずです。私はDr. Writeという所も使い、基本的な間違いをなくすよう訓練もしました。

 

●GMAT

 TOEFLと違い本当に謎の多い試験でアドバイスのしようもないというのが本音です。同じく帝国ホテルには二度と近寄りたくありません。が、当初はかなり自信のあったテストで、700点は絶対超えられると信じていました。TOEFLのマイナス分をカバーするつもりでいましたが、あえなく失敗しました。MもVもとにかく最初10問(+できれば最初の30問)までが大事だという話ですが、最早それを語るには至れないレベルの為、意見は差し控えます。精神面・体力面・運が大きく影響するのは間違いないですが、いずれにしても戦えるベースの力は必要です。帝国ホテルを嫌いにならないよう皆さん頑張って下さい。

 

・Quantitative

 高校受験までの数学で十分ですが、英語の数学用語だけはすぐに頭に思い浮かべられるようにしましょう。あと日本で馴染みがない標準偏差あたりはしっかり見直した方がいいと思います。自分はやりませんでしたが、マスアカなども質の高い問題を提供してくれるらしいので参考にしてみて下さい。Mはタイムマネージメントが重要な気がします。最初の20問位はイージーに解けますが、その後急激にレベルが高くなるので、焦らず数問は間違えても満点はでるという気持ちで臨めればいいと思います。

 

・Verbal

 Rが苦手な人にとってはかなりきつい試験ですので、TOEFL以上にボキャ増強・文法の再理解・多読・速読をお勧めします。加えてGMATルールというのをどこの予備校でも教えもらえると思うので、それが実践で使えるレベルになるまで繰り返し復習するといいと思います。SCはとにかくルール、CRは論理、RCは主旨という大原則さえ間違わなければいい点は取れるはず、取れたはずなのですが。。VはやはりOGなどOfficialなもの以外にはあまり手を出さない方がいいと思います。他の問題に手をつけて点数が上がったという人をあまり聞きません。

 

・IR

 MとVができればただの複合問題なので問題ないと思います。ただ時間は絶対に足りないので、タイムマネージメントと捨てるものは捨てるとはっきりした方がいいでしょう。またIRを評価に入れていると聞いた学校はまだ聞いたことがないので、ルールさえ覚えて4~5以上取れれば特に勉強する必要はないでしょう。

 

・AWA

 TOEFLのWができれば問題ないと思います。基本の英語の論理構成に、GMAT特有の癖というかAssumptionを盛り込めれば4以上は出ると思います。こちらもやはり多少の量は必要なので、タイプするのに慣れておいた方がいいでしょう。3点台でなければ特にアドミッションも気にしないと思います。

 

私はPrepでも大体700点以上出て、AGOSでTutorをお願いして実力を見てもらった際にもVは35以上出そうだと言われましたが、本番は散々でした。昔は試験慣れしていて緊張などしなかったのですが、今は無意識に会社のプレッシャーや5回の受験・1ヶ月間隔ルールが頭に残って力を発揮できなかったのかもしれません。私以上に力のある人でも結局600点を超えられなかった人が何人もいます。苦手意識を作るとドツボにはまりますので、700点を超えられる力をつけてから1回目の受験に臨むのがいいのかもしれません。

 

●エッセイ

 正に受験の肝となる部分なので、十分に時間をかけて納得のいくものを作るべきだと思います。また、カウンセラーとの相性というのが最重要ポイントになってくるので、慎重に選ぶのもいいですし、途中で違うと思ったら思い切って切り替えるがいいでしょう。受験が佳境に入ってくると、誰よりも心の拠り所となるのがカウンセラーです。レスポンスが悪い・いい加減・向こうの思いばかり押し付けてくるなど自分の価値観に反するカウンセラーだと致命的になるので、ぜひいい出会いをしてほしいと思います。

 

 内容はどこの学校も大体同じです。Why MBA, Why Now, Short and Long Term Goal, Why School, Achievement, Failure, Leadership, Cooperation, Contribution。これらは聞き方を変えてきたりしますが、とにかくこれらの軸の質問に一貫した論理(過去と現在と未来を繋げて)で自分の中でまとめて英語にすればベースは出来上がるでしょう。私は当初の第一志望のKelloggがこれらの質問を全て兼ねた内容でしたので、2ヶ月かけてカウンセラーと10回位やり取りをしながら仕上げました。あとはいかに自分がその学校に対してメリットがある人間かというのを学校別に掘り下げてアピールしていくのがいいと思います。軸と論理さえしっかりしていれば絶対にいいエッセイになると思います。私が9校も出願したのはエッセイの軸がしっかりできていたので、Kellogg以降は時間をかけずに仕上げることができました。どの学校からもエッセイとレジュメはかなり高い評価を頂いたのですが、超低スコアが響いてここを何とかしてくれないと・・・と言われている間に春になってしまいました。エッセイを活かす為にもぜひスコアメイクも頑張ってください!

 

●推薦状

 私は社費派遣ということもあり、そのまま直属の上司と若手時代の上司に頼みました。私費の方はなかなか難しいかもしれませんが、正直に自分の思いと将来へのステップを話せば、恐らく受け入れてくれると思います。意外とこういうお願いも喜んでくれたり、MBAにチャレンジする自分に刺激をもらってくれる、というのが受験を終えてからの感想です。まわりにもお願いして断れたという話を聞いたことはありません。実際どの学校も現在の直属の上司と昔の上司の2人が好ましいというケースがほとんどです。ぜひそういう2人、もしくは3人に今のうちから手を打っておいて下さい。

 

 内容としては自分のいい面を別の角度から書いてくれるのがいいでしょう。同じような内容が2通あっても意味はないので。またできるだけ具体的な事例を書いてくれるようにお願いしておいた方がいいと思います。とかく日本人は抽象的に表現しがちですので、入念に「具体的に」とお願いしたほうがいいでしょう。

 

●志望校選定

 志望校は自分を掘り下げる過程でぶち当たると思うので、その時に深く考えるのがいいと思います。これも論理の一環で、自分の価値観と将来の目標にリンクしない学校を選ぶと、エッセイの中でWhy Schoolが説得力なくなりますし、何より合格して進学しても薄い学生生活になってしまうかもしれません。私が過去と現在と未来を重ね合わせて抽出したのは①Diversity ②Cooperation ③Networking ④Locationです。これらの要素を重視してまず「日本人のためのMBAベストスクールガイド」で目星をつけて、7月から始まるAGOS夏祭りや各校説明会にできるだけ参加し、多くのAlumni・Admissionと話をしました。それに加え各校のHPやネットワーキングしてからの情報収集・Alumni面談を重ねて絞り込んでいきました。最終的には自分のスコアを照らし合わせながら現実的な学校へとシフトせざるを得ませんでしたが。志望校選定要因は価値観によりますし、社費の方はTOP〇〇という縛りもあるでしょうから、色んな要素を考えてみて下さい。ランキング・場所・規模・専攻・授業携帯の割合・カルチャー・ネットワーキング等考える要素はいくらでもあります。またMBAはグローバル化が進む中で、Cooperativeなリーダーを生み出したいが為にどの学校にも「Leadership」「Cooperation」など共通の重視するカルチャーを謳っています。どこも同じに見える・・・というのが私の最初の感想でした。違いを見極めるのはそこにいる・いた人達と話した時の感覚が最も大事だと思います。在校生・アラムナイ・アドミッションと話した時の直感は嘘をつかないと思うので、ぜひ説明会や面談・Visitを重ねて頂ければと思います。

 

●インタビュー

 私の場合は最後までスコアメイクに苦しんだので、十分に準備する時間はありませんでした。加えてとにかくListeningとSpeakingに難があったので、エッセイでも突き詰めた自分の軸と論理を英語で話せるようにセルフで特訓したり、レアジョブで毎日聞いてもらいました。その後アゴスのカウンセラーと4回レッスンを行い指摘をもらいながら進めました。営業職なので面接自体は得意でしたし、内容はしっかりしていると言われていたので、英語で話す時のクオリティーを下げないように繰り返し練習しました。ただ面接までたどり着けない学校が多かったので、自分の優先順位はとにかくスコアメイクで面接は後回しでした。皆さんこうならないようにしっかりとスコアメイク頑張って下さい。

 

 日本の面接と違い、基本的にはこちらの良い所を引き出そうとしてくれる面接が多いので、それほど緊張せずに、また準備をしなくてもいいかと思います。私が面接したFuquaやESADEなどまずはこちらをリラックスさせてくれるような話題から入り、オーソドックスな質問を具体的に掘り下げていくという面接が多いです。MITなどは「この場合あなたはどうする?」といった応用の必要な学校もありますので、それらは事前に学校の面接の特徴は調べておくべきでしょう。また当たり前の話ですが、自分が最もアピールできると思う話、向こうが興味を持つであろうという話、学校に貢献できるという話に持っていく為の伏線をインタビューの最中に仕掛けていくことが重要だと思います。答えはクリアに具体的にが鉄則ですが、その中に得意分野にもっていく為の答え方を考えることをお勧めします。

 

●その他提出書類

・大学の卒業証明書・成績証明書

・社費派遣証明書(スポンサーレター)

・TOEFL・GMATのスコア

・パスポートのコピー

・証明写真

 

●アプリ提出後

・UNCなどにはアディショナルエッセイの提出⇒求められていませんでしたし、本来することでもないのですが、受験状況がこれ以上ないほど追い込まれていたので悪あがきをしました。熱い思いとどれだけ自分が学校のカルチャーに合い、貢献できるかを提出済のエッセイに書ききれなかったことを500字程度でまとめました。マイナスには働かないと思うので、何もやらないよりはましだと思います。

 

・アドミッションへのメール攻撃⇒数日に1回はアドミッションへメール攻撃を欠かしませんでした。もちろんスコアに余裕がありスマートに合格すれば一番いいのですが、自分はそういう状況ではなかったので、もし最後にどちらを選ぶ?とアドミッションが悩む状況になった時に選んでもらえるようにと考えていました。

 

私の場合はスコアが土俵にも乗っていないケースが多かったので意味の無いことも多かったですが、日本の大学受験と違ってMBA受験は点数だけではなく人間(アドミッション)が最後は決めるので、心理的な面や政治的な要素がかなりの確率で働くと思います。実際にそれで好転したケースを多く聞いています。絶対的な余裕がなければ最後まで足掻き続けるのも受験の一つのやり方だと思って下さい。

 

●その他役立つ情報

・ネットワーキング

 英語が得意な人も、スコアに余裕がある人もMBA受験はみんながいずれかの段階で必ず苦しみます。またこの苦しみを理解してくれるのはMBA受験を経験している・経験した人達だけです。多くの人には何がそんなに大変なのか分かってもらえませんし、妬み嫉みで心無いことを言う人達もいます。そんな時の為にもネットワーキングは最重要視してください。絶対に一人では戦いきれません。受験仲間やアラムナイ・カウンセラーから有益な情報をもらえることもあれば、受験仲間とどうしようもない苦しみを共有して色々と吐露した方がいい時もあります。また説明かで知り合ったアラムナイやアドミッションとの繋がり(名刺交換やメール交換)が受験の最後に役に立つかもしれません。またこの受験の機会はこれ以上ないほど異業種の人達や優秀なビジネスマン・刺激を与えてくれる人達と出会える場です。私はドメスティックで閉鎖的な住宅業界の営業職でしたので、こんなにもMBA受験で知り合う方々から色んなものを頂けるとは!と目からウロコでした。ぜひ一つ一つの出会い・繋がりを大事にして広く深くネットワーキングをして下さい。必ず最後に皆さんのお役に立つはずです。

 

・キャンパスビジット

 私はビジットを計3回行いました。10月に行った1回目の理由はモチベーションを上げる為です。秋の時点でTOEFLが80点前後と絶望的な状況で心が折れそうな時に、もう1度自分を奮い立たせるため、自分の目指すべき学校を目に焼き付ける為に行ってきました。社費派遣で1年先に延ばすという選択肢がなかったので、30万円を自腹で払いアメリカのトップ校を見て回りました。結論を言うと、行って本当に良かったと思っています。向こうで学ぶ生き生きとした学生や優秀な教授・日本とは違う環境が大変な刺激になり、日本に戻ってからもう1度やり直そうと覚悟を決められました。本来余裕がある人達が行くものなのですが・・こういう行き方もあると思って下さい。2回目・3回目は面接込みでアドミッションに熱意を伝える為です。ビジットしての面接も日本での面接も評価に差はないと言われていますし、英語に自信がない場合は英語力の無さを露呈するリスクがあるから日本でのアラムナイとの面接を選択しろとよく言われましたが、私の場合は普通に受験していては絶対に合格しないスコアでしたので、何か少しでもプラスになればと思い全てビジットでの面接を選択しました。合格を頂いたESADEではそのあたりがうまくいったのかと思います。人間性と職歴を評価して頂いたので滞在中に合格をもらえると確信できました。加えてビジットしての不合格なら納得できるという理由もありました。

 

・アメリカとヨーロッパの違いについて

 私は当初はアメリカの学校を受けて、最終的にはヨーロッパの学校に切り替えました。どちらがいいという議論は避けますが、結果的には自分の求める学校に合格できたと思います。まず私はアメリカの学校を目指した理由は「やはりMBAと言えばアメリカだろう」「アメリカのMBAの授業の方が先進的かつ包括的な気がする」といったぼんやりした内容で、当初ヨーロッパは選択肢にも入れていませんでした。会社の指定も世界のTOP30でしたので、限られた中での志望校選択となりました。途中で切り替えた後ろ向きな要因としてはスコアです。アメリカはスコアを非常に重視し、特にGMATはU. S. News等のランキングにも影響するためかなり厳しいです。私はTOEFLに加えてGMATも壊滅状況に陥ってしまったので、アメリカのTOP校は諦めざるを得ませんでした。GMATの統計から外れるGREに切り替えるという選択肢もありましたが、私の場合はいずれにしてもTOEFLが追いつかなかったので、2014年春の段階でヨーロッパに切り替えました。ヨーロッパはアメリカと比べるとスコアには寛容です。特にGMATは全く気にしないという学校もいくつかあります。その代わり人間性・職歴・功績・カルチャーとのフィットを重視しますので、自分としてはこちらの方が受け入れられやすい状況でした。前向きな要因としてはヨーロッパの学校のDiversityは素晴らしかったからです。私の進学予定のESADEは40カ国以上から構成され、Internationalは95%を超えます。私は志望校のCriteriaの一番にDiversityを置いておきながら、なぜヨーロッパの学校に目を向けなかったのだろうと不思議に思う程でした。一方アメリカはInternational率が大体30~40%の為、本来自分が目指すべき学校はヨーロッパに多くあると思えた為、喜んで切り替えました。これは個人個人の価値観によるので、アメリカとヨーロッパどちらを自分が求めていて、どちらが自分を成長させてくれるかはよく吟味して検討して頂ければと思います。

 

●受験を振り返って

 ここまで苦しかったと書いておきながらなんですが、合格して3ヶ月も経つと何がそんなに大変だったのかと思うほど今はあっさりしています。今回振り返ってみてようやく色々と思い出せたことも多くあります。苦しみを忘れそうなのは、皆さんも私ももっと先の、もっと大きな目標に向かっているからここは通過点でしかないからだと思います。受験が最終目標なんかにならない人達がこのMBA受験にトライしていると感じています。プレッシャーや自己嫌悪で追い込まれる日があるかもしれませんが、そんな時は自分を俯瞰して見てみて下さい。また一歩先のステージに進めるはずです。また受験中は無我夢中でしたが、自分が大きく成長して変化したことを今は感じます。それは周りが自分に影響されて刺激を受けて変わろうとする姿を見るときに強く感じます。きっと皆さんの周りでも皆さんに影響されて既にプラスの要素を与えている、それがMBA受験だと感じます。もちろん本当に大事なのはこの先ですが、誰も応援してくれない、孤独だと思わないで下さい。妬み嫉みもいずれプラスの方向に動き出します。我々の経験を活かして、あるいは反面教師にして、皆さんが無事志望校に合格することを心よりお祈りしています。諦めなければ絶対に大丈夫、苦しい状況でもやり続ければ必ずある日急に道は開けます。皆さんが世界を変える人材として、日本のチェンジエージェントとして羽ばたくことを心よりお祈りしています。最後までお付き合い頂き本当にありがとうございました。

 

もし私の経験・体験談にご興味を頂きもっとお話を、というありがたいお言葉を頂けるようであれば個人的な相談もいくらでもお受けします。またESADEを受験されたり、バルセロナへお越しの際もぜひお声がけ頂ければと思います。宜しくお願い致します、

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Herupaso (Goizueta)

■ 基本情報
【ハンドルネーム】
Herupaso

【進学先】
Emory University (Goizueta)

【他の合格校】
Vanderbilt University (Owen)

【途中辞退】
New York University (Stern), Cornell University (Johnson), University of North Carolina(Kenan Flagler)

【WL】
New York University (Stern), Cornell University (Johnson), University of North Carolina(Kenan Flagler)

【不合格校】
Columbia University, MIT (Sloan)

【年齢・性別】
29歳(受験勉強開始時) 男

 【職歴】
日系投資銀行勤務5年(株式及び債券の引受業務4年⇒人事部1年)

 【私費/派遣】
派遣

 【最終学歴】
東京大学公共政策大学院

 【GPA】
3.5

 【TOEFL】
102(R:26 L:30 S:18 W:28)

 【GMAT】
670(V:29 M:50 IR:7 AWA:5.5)

 【海外経験】
海外旅行程度

 【コメント】
正直、MBA留学は思いつきのものであり、海外経験もほぼ皆無からのスタートでした。

■ なぜ今MBA?
【建前】(嘘ではなく、社内選考やMBA選考の過程においてある程度説得力を持って説明できるストーリー)

>コーポレートファイナンス理論の習得 
 「投資銀行マンとして、お客様に対して訴求力を持って提案するに足るコーポレートファイナンス知識を得ること」が目的の一つでした。
 入社して2年程度が経った時に、ある程度規模感もあり、最終的に一部報道機関よりDeal of the Yearを頂戴することができたプロジェクトにアサインされる機会がありました。当該プロジェクトは、私の所属する会社に十分なノウハウの貯まっているものでもなく、若い年次ながら手探り状態の中を自分で考え、判断し、作り上げていく必要のあるもので、クロージング時(対外公表時)には大きな達成感を感じることもできました。
 でも、まさにその対外公表時において、案件を同業他社のアナリストから批判されてしまったのです。詳細までは覚えていないのですが、「この案件はコーポレートファイナンス理論上実施すべきではないものだ」との概要だったと思います。このアナリストの指摘が正しいかどうかの検証はしておらず、その記事を見たときには「うるさいアナリストだなあ」位にしか思っていなかったのですが、よくよく胸に手を当てて考えてみると、確かにそのような切り口でお客様に対して提案をしていなかったのではないか、というより、社としてそのような提案をする力が欠けていたのではないか、との結論に辿り着きました。
 実務に直結するコーポレートファイナンス理論を学び、自分そして会社の提案訴求力を向上させたい、これが一つの思いです。

【本音】(諸々の選考プロセスで述べたこと、述べなかったこと、双方を含みます)
>「この人の下で働きたい」と思って頂けるような、リーダーシップ能力の構築
 先述の通りいわゆる投資銀行業界における勤務を経ての留学になるのですが、この業界、如何せん労働環境が極めて劣悪なんです。長時間労働だけならいざ知らず(まあ、この点は好き好んでやっている人も多いと思うのであまり問題ではないとは思うのですが)、働く気を失わせるような要因のオンパレードです。ミーティングの前に「お前は一言も話さなくていい」と言われたり、大勢の社員がいるまん真ん中で立たされて怒鳴り散らされたり、、、例を挙げれば枚挙に暇がありません。また、人事部における勤務を通じて全社を俯瞰的に見る機会を頂いた中で、かかる問題が局所的なものではなく、社内の様々な部署に偏在しているのだということにも気づかされました。
 別に「全社的にこのような労働環境を改善したい」と大仰なことを考えている訳ではないのですが、せめて自分が管轄する範囲においてはチームメンバーに心地よく働いて欲しい、そしてそのために必要な知識と経験を得たいとの考えに至り、この点、MBAにおけるリーダーシップの分野における学習が最適との考えに至りました。もう少し詳述すると、アメリカ人は何かいいと思われる抽象的な概念を理論化し、誰にでも習得できるような仕組/機能としてまとめ上げるのがとても上手いとの話を耳にしたことがあります。触れたことがある方なら「リーダーシップ」という学問領域がいかにふわふわしたものかお分かりかとも思いますが、MBA留学を通じてまずは仕組としてこれに関する知識を得た上で、自らの理想とするリーダーシップ像に近づくべくこれを昇華させることができると考えた、ということです。

>サバイバルスキルとしての英語力の獲得
 最近「選択する未来」とのお題目にて、「50年後に人口1億人維持を目指す」といった目標が掲げられていました。この目標のインプリケーションは、「どんなに頑張っても、50年後にはせいぜい1億人しか人口を維持することができない」だと思っています。別に改めてこの場で指摘することでもないとは思うのですが、日本の将来はその位暗いと個人的には踏んでいます。
 そのような未来を前提とした場合、この世界で生きていくには国際経験/海外経験が少なすぎるな、と常々感じておりました。まだ頭も柔軟なこの時期において海外経験を積み、生活を送るに足る英語力を身につけ、何かあった時には家族を引き連れて海外でも生活できるような素地を築いておくことが必要だ、と考えた訳です。
 (ちなみにこの話は選考のプロセスにおいては一切お話していません。基本的に海外MBA留学は英語力を身につけるものではなく、英語力を前提として経営を学ぶ場であるので、この点をはき違えていると思われるリスクを排除しておくためです。)


■ スケジュール・費用
スケジュール
2012年秋頃:社内選考の開始を見てMBA留学を決意
2013年初頭:社内選考突破
2013年2月:力試しにTOEFL初受験(スコア71点)
2013年3月:TOEFL学習ツール/カウンセラー利用の開始(後述)
2013年6月:TOEFL102点獲得(出願スコア)。アドバイスもあり、GMATにシフト
2013年7月:AGOS夏祭りへの参加をきっかけに、志望校選択を開始
2013年9月:GMAT初受験(スコア600点)
2013年10月:GMAT670点獲得(出願スコア)。エッセイ/アプリケーションに本格シフト
2013年11月:Emory含め、数校のキャンパスビジットへ
2013年12月:7校への出願を終了
2014年3月:Emoryからの合格を得る

費用:
予備校/カウンセラー費用 計80万円程度
TOEFL/GMAT費用 計40万円程度
ビジット費用 計30万円程度
出願費用 計10万円程度

■ 予備校選び
TOEFL:
 会社の先輩の薦めもあり、Reading/Listening/Writing はWeb TOEFL を利用しました。
 一番の魅力は、自宅で好きな時間に受講することができる点です。社費での派遣が決まっていたものの、それを理由として仕事の負担感が軽減される訳ではなく、運良く早く帰ることができた平日や週末に纏まった時間を割いてコツコツと進めていました。同じような境遇にあり、定期的な時間の確保が困難である方にはおすすめです。
 コンテンツとしては、Reading/Listeningは若干平易なレベルだと思います。演習問題の長さも本番対比では相当短く、受講中は「これで大丈夫なのかなあ」と心配もしていました。ただ、問題解法のストラテジー的なものはしっかりとしており、「簡単な問題演習を通じて応用の効く力を身につける」ことが趣旨なんだったのかな、と今振り返ると思います。海外経験も無く、スタート時点の英語力が高くなかった私にはちょうど良かったと思いました。Writingは本番同等か若干難しいレベルでしょうか。これについてもフォーマットがしっかりとしており、またオンラインでの添削を受けることができるので点数上昇にはいいと思います。(Web TOEFLのフォーマットを使っただけで、20程度だった点数が、安定的に27以上で推移するようになりました。)
 また、SpeakingはE4TGを利用しました。ETSの予備校対策も進んでいる中で、解法のストラテジーには賛否両論あるところだとは思いますが、10点台の方が20点台前半に持っていくにはいいかと思います。私は初回受験時のスコア15点を、MAX24点まで上げることができました。

GMAT:
 濱口塾を利用しました。音声教材を得ることができるため、先述のWeb TOEFLと同様、自宅で学習できる点が最大のメリットだと思います。また、問題量が大変豊富であり、受験を通じて捌ききれないほどでした。GMATは問題演習量が命なので、この点も大変魅力かと思います。

エッセイ他:
 Ivy League ConsultingのMatthew Drane氏にお願いしました。友人の紹介で人柄に信頼を持つことができたこと、また投資銀行における業務経験があり、(私の拙い英語でも)話が通り易いと思われたこと、の二つが理由です。日本人カウンセラーについては、どなたを利用するにしてもあまり評判の良い方はおらず利用はしませんでしたが、MBAとは無関係に個人的にコーチングをお願いしている方がおり、Why MBA等については彼と一旦話をした上で内容を固め、Matthew Draneと英語で話し合う、といったやり方を採りました。

■ レジュメ
 ある程度決まった書き方のようなものがあるので、カウンセラーの方にお願いすれば特に苦も無く完成するかと思います。

■ TOEFL
 全体感:
 まずは上記の予備校での学習を通じて基本的な解法のストラテジーを会得し、できるだけ多くの受験をこなしました。(2013年の夏頃まではテスト間の期間を一定程度空けるというルールも無く、また、受験費用は会社から補助が出る仕組みにもなっていたため、自宅で問題演習をダラダラやるよりも、本番の緊張感の中で集中的に且つ大量に学ぶ方が早いとの結論に至ったということです。)
 予備校選びがうまくいったこともあり、3か月程度で30点以上のスコア上昇を達成し、6月の頭にはまずは一つの目標スコアである100点を超えることができました。確保可能な勉強時間も考慮の上、その後はGMAT/エッセイにシフトしたためその後点数の改善は叶いませんでしたが、最終的な着地点としては満足のいくスコアだったと思います。

 Reading:(最高スコア30点)
 Web TOEFLの教材を(課題も含めて)しっかりと指示通りにこなしたのが全てかな、と思います。後は多読も睨みつつ、休憩がてら英文の本をパラパラと読んでいました。日本人である私たちにとってそこまで難しいパートとも思わないですが、個人的には受験回によって大分難易度に差がある印象もありますし、「GMATのRCをこなしていく上で点数が上がる」ものでもない気がします。 

 Listening:(最高スコア30点 ←運が良かっただけです)
 このパートにもストラテジー的なものは当然存在するのですが、最も“実力”が重要なところでもあるのかな、という気がします。Web TOEFLの教材をこなしつつ、自宅での学習時にはシャドーイングやディクテーションを地道に実施したことはもとより、通勤中/入浴時にもさまざまな教材を用いてリスニング演習を図りました。Reading同様、受験回によって難易度に差がある気はしますし、このパートの難易度が全体のスコアを左右するとも言われています。ただ、感触とスコアには全く相関が無い気がするので、途中で投げ出さず、最後まで集中することが大切かと思います。(抽象的な話ですみません。)

 Speaking:(最高スコア24点)
 まずはE4TGの解法を体得しました。ある程度のストーリー(自分のひな形)を頭に入れ、これを本番の問題内容に応じて柔軟に適用するというものでしたので、入浴中にこのストーリーを復唱したり、朝起きた直後にいくつか問題をこなしてから通勤する、といった方法を採りました。根本的な解法では無いのですが、特に1番と2番については周りの方の解答内容から問題が推測できることも多く、点数を上げるためにはこの環境をうまく利用すべきであることは言うまでもありません。

 Writing(最高スコア29点)
 テクニカルに点数を取ることが比較的容易なパートである気がします。問題演習量や文法力も大事ではありますが、何かしらのひな形を頭に入れ、450ワード以上を目指して大量の文書を書くことを目指しましょう。単語量とスコアの正の相関にいち早く気付くことがまずは大事だと思います。 

■ GMAT
 全体感:
 先述の濱口塾の教材演習が全てでした。TOEFLよりも技術的な側面が重要だとも思いますし、短期決戦でなんとかなるテストでもあるかと思います。何かしらの手段を通じて解法のストラテジーを身に着け、特に苦手なセクションの問題演習を積み重ねつつ、本番直前には実際と同じ形式と時間制限にて模擬試験を実施されるのが良いかと思います。

 Verbal:(最高スコア29点)
 繰り返しになってしまいますが、濱口塾の教材が全てでした。各セクションの解法がありますので、ここをしっかりと押さえつつ、濱口塾の問題演習をこなしましょう。私は全てをこなすことはできませんでしたが、全問題に当たることができれば相当の力がつくと思います。

 Math:(最高スコア50点)
 文系人間なのですが数学好きだったので、あまり苦労はしませんでした。(といっても満点は取れませんでしたが。。)初回受験時の直前に問題の形式をさらっと見た程度です。

 IR:(最高スコア7点)
 あまり教材らしいものもなく、ぶっつけ本番で実施の上、本番にて力を付けていくという感じでした。結局は VerbalとMathの延長上にあるテストだとも思いますし、各校のアドミッションがどこまでスコアを見ているのかもよく分からない面もありましたので、特段の対策はいらないかなとも思います。(今後各校の方針が変わる可能性もあるかと思いますので、その点はご留意ください。)

 AWA:(最高スコア5.5点)
 これも濱口塾のテンプレートを頭に入れて本番でアウトプットしただけです。TOEFL Writingの延長上にあるテストでもあると思いますので、本腰を入れた対策も不要かと思います。ただ、エッセイのできとAWAのスコアに著しい乖離があると、エッセイの自作を疑われることもあるようなので、この点は注意された方が良いかと思います。

■ エッセイ
 先述のカウンセラー(Matthew Drane氏)に従い3月より指定のフォーマットに則ってネタ出しを開始、7月から8月に掛けて徐々に原稿を書き始め、11月初旬には概ねドラフトを完成させた上で12月中旬に最終形に仕上げた感じです。その過程において、(MBAとは無関係の)セルフコーチと話し合いながら、自分が本当にやりたいこと、自分が今まで感じてきたことの議論を重ねて来ました。
 エッセイについては、カウンセラー方針によってやり方は様々でしょうし、そもそも性格の合う合わないで最適なカウンセラーも人によって異なるところかと思いますので、この場にて“ベストと思われる選択”を掲載させて頂くことは困難な面もあります。「MBA受験業界においてそこまでメジャーでは無いカウンセラー+MBAとは無関係な日本人コーチ」という私の選択も、極めて異例なものかとも思いますし、私と同じように社費にて留学される方には本心をエッセイにぶつけることが難しいといったような事情もあるかとも思います。
 ただ、如何様な選択肢を採られるにしても、”本当に自分が思うこと”をしっかりと考え、そこにAccountabilityを持つことがとても大切だと思います。私はエッセイの中心たるWhy MBAにつき、建前:コーポレートファイナンス理論の習得、と、本音:リーダーシップ能力の構築の2つを基軸として据え、これに紐づくような経験や自らの性質を高校生時代あたりからひも解いていきました。特に本音の部分については、“Compassionate Leadership”との理想的理念を掲げ、これに対する思いをエッセイにぶつけました。インタビューの過程においてもアドミッションが興味を持って話を聞いてくれた箇所でもあり、日ごろ本心より思っていることはやはり相手に伝わるものなのだと思います。

■ 推薦状
 こちらにつきましても、カウンセラーの方のやり方次第なのかと思います。私は、入社時配属時の部長と2部署目の上席の方にお願いさせて頂きました。エッセイにて記載する自らの長所/短所とは異なる切り口で書いて頂くと内容が立体的になって印象がいいとのことなので、可能であれば方向性を推薦者とシェアした上で進められると良いかと思います。 

■ 志望校選定
 私はあまりランキングには拘らず、①「コーポレートファイナンス理論の習得」と理想的な「リーダーシップ能力の構築」が可能であるか、②人柄/雰囲気にフィット感があるか、の2つを軸に据えつつ、でき得れば③中小規模で日本人の方が多いスクールを選定対象としました。
 ①については、この2つを学ぶことができないスクールは正直存在しないと思います。ただ、アドミッションや卒業生の方に「ファイナンスをやりたいです」という聞き方をすると、「それなら他校に行った方がいいよ」といった回答を頂けることもありますし、リーダーシップ能力の構築については、目指す方針やそのための方法に差異があるものなので、ホームページやパンフレット、ネットワークを利用して情報収集を行ってみて下さい。
 ②は感触ベースの話でもありますので、実際に自分で足を運ばれて確かめるのが早いかと思います。色々な方が口を揃えておっしゃっていることでもありますが、「実際に行ってみると合う合わないがハッキリと分かる」とうのはやはり真実だと思います。私は秋口にキャンパスビジットを行い、大学のイメージがいい方向にも悪い方向にも変わりました。(Emoryについては、志望度合が大きく高まりました。)
 ③については、コンパクトな大学の方が教授との距離も近く、学生間でも緊密なコミュニケーションをとることができる可能性が高いと感じられたこと、また、キャンパスビジットを通じて日本人が多くいらっしゃることに対して大きな安心感を得られることに気付いたこと、を背景に一つの基準として設けました。この体験記は渡米後間もない時期に執筆しているのですが、生活の立ち上げ時にも日本人在校生の方にいろいろと助けて頂いており、この基準はかなり大切だったのかなと思っています。
 その他、優先順位の優劣はあるかと思いますが、日本からのアクセスの容易さ、生活環境(気候や食品調達の容易さ、物価、学校周辺の交通手段等)についても可能な限り斟酌されると良いかと思います。(余談ですが、Emoryのあるアトランタは、成田空港からの直通便があり、福岡市と同緯度で過ごしやすく、物価もニューヨーク等に比べれば遥かにリーズナブルである等、とても生活し易いです。)

■ インタビュー
 カウンセラーと一度模擬面接を実施した上でアドバイスを受け、後は指摘された内容を踏まえつつ毎日朝晩家で一人でぶつぶつ呟きながら練習していました。大学によっては奇をてらった切り口にて質問をしてくるところもあるようですが、ACCEPTED (http://www.accepted.com/mba/interviews/advancedsearch.aspx) というサイトに過去の各校のインタビュー内容が掲載されており、これを用いて対策を練りました。
 注意を要する点があるとすると、「自分が話したいことと相手が聞きたいことは異なる」可能性に留意することでしょうか。私の場合、投資銀行のフロント部門にて勤務していた頃のエピソードを大量に頭に入れてインタビューに臨んだはいいものの、アドミッションの質問が人事部所属時の質問に終始し困った記憶があります。同様の経験をされている方も多いようなので、レジュメに書いたことについては須らくネタを用意することをお勧めします。


■ その他提出書類
 エッセイを書き終え、いざ提出だとなった時に、アプリケーションフォームという壁が立ちはだかります。指定された内容をちまちま入力するだけでいい大学も多いのですが、場所によってはActivityやHobbyの箇所につきエッセイ並の分量で記入を求められるところもあります。エッセイを作り始める時には、事前にアプリケーションフォームにも軽く目を通しておき、エッセイと同時並行にてカウンセラーと相談しながら実施するのが良いかと思います。また、社費留学の方については財政支援証明書の提出を求められたりもするので、特に社内手続きが緩慢な会社である場合には早めの対応を心がけましょう。

■ アプリ提出後
 あわよくばGMATのスコア改善をと思っていたのですが、アプリの提出後は脱力感でインタビュー対策のみに終始してしまった感じです。最も行きたかったEmoryからの合格を一番先に頂くことができたため、特段Wait対策をすることもありませんでした。

■ その他役立つ情報
 「役立つ情報」ではないかもしれませんが、受験を通じて痛感したことは、「どのスクールの在校生も懇切丁寧に質問に対応してくれる」ということです。とある大学のエッセイで「ニューヨークにて学ぶことのメリット」のようなものに答える必要があったのですが、ニューヨークには行ったこともなく全くアイデアが浮かばない状況に陥ってしまいました。そこで、知人を通じて見ず知らずの方にコンタクトをとり、「こんな質問がエッセイにあるのだけど何かアドバイスを頂けないでしょうか」という不躾極まりないメールをお送りしたところ、2000文字以上に亘る回答を頂き、それだけでエッセイを1問書き上げることができました。主観的な意見ではありますが、MBA留学をされている方は人に対する”貢献欲”がとても旺盛でもあり、またいざ在校生との立場に立ってみると、やはり自分が愛着を持つ大学に日本人の方に興味を持って頂けることは大変嬉しいことでもあるのだなと感じます。エッセイ作成に関わらず、行き止まりに当たった時には、是非在校生を頼るという選択肢があるのだ、ということを思い出して頂ければと思います。

■ 受験を振り返って
 多くの方が辛かったという意見をおっしゃるMBA留学受験ですが、私は比較的楽しく臨むことができた方なのかな、と感じています。(別に辛くないとは言っていません笑。)例えばTOEFLのReadingについても、大学の教養課程レベルの知識を得ることができたり、Essayの執筆に際しては自らの歩んできた道とこれから本当にやりたいことに真剣に向き合うことができたり、通塾やキャンパスビジットを通じて人間関係や見識が広がったり、MBA受験を通じて成長できる機会は多々あります。英語力についても然りで、受験勉強に臨む前はE4TGへの入塾アプリケーション提出にもたじろいだり、カウンセラーと英語で話すことにも緊張したりするレベルであったところ、1年後にはアドミッションとインタビューで普通に対話ができ、英文記事を読むことへの抵抗も全く無くなりました。
 社費にしろ私費にしろ、ほとんどの方が会社に所属しながら受験勉強を同時並行で実施されるのだと思いますし、不満の種を見つければ際限も無いでしょう。夜勉強する時間を確保することができないとか、カウンセラーの返信が遅いとか、週末は家族サービスに時間を割かなければいけないとか。そういう時には、是非プラスの側面に眼を向けて下さい。受験生活にて学び/得ることができるものは、絶対に不満を上回ると思います。

Yuki (Cornell Johnson)

■基本情報
【ハンドルネーム】 Yuki
【進学先】Cornell (Johnson)
【他の合格校】Georgetown McDonough, Texas Austin
【途中辞退】無し
【WL】Cornell
【不合格校】Stanford(インタビュー無), MIT(インタビュー有), Duke(インタビュー有)
【年齢・性別】27歳 男
【職歴】国家公務員
【私費/派遣】社費
【最終学歴】慶應大学理工学部
【GPA】3.7
【TOEFL】106(R:29, L:26, S:24, W:27)
【GMAT】720(Q:50, V:38, A:5.0)
【海外経験】海外留学1年(学部時代の交換留学)
【コメント】

「前代に受けた恩を返すには、後代の助けとなる他ない」、そんな思いを胸に執筆致します。振り返れば、スコアメイクからエッセイまで(寝不足故に不鮮明な)沢山の苦い記憶が蘇ってくるわけですが…、MBA受験は多分に情報戦な面があると思いますので、本受験体験記が皆様にとって1つの道標となれば幸いです。



■ なぜ今MBA?
 自分は「エネルギー政策というツールを介して持続可能なエネルギー社会の構築に貢献したい」と考え役所に就職し、入省後は幸いにも再生可能エネルギーを所管する部署に配属されました。

 しかし、日々事業を展開する方々に接する中で、政策担当者には相当なビジネス・リテラシーが求められることを痛感しました。政策を通じて事業者を経済的に動機付けるには、どのような事業性を設定すべきか?IRRはどれ程の水準とすべきか?βとは?そもそもIRRだけで事業性を判断してよいものか?政策を講ずるためのコストが事業にど及ぼす影響は如何程か?

 また、様々な面において事業者等に具体的な行動を促すことが出来なければ、実効あるエネルギー政策は実現しないとも感じました。

 今後、自分がエネルギー政策というフィールドで活躍していくためには、確たるビジネス・リテラシーを持ち、様々なステーク・ホルダーを巻き込んで行動を起こしていくためのハードスキル・ソフトスキルが必要と思いました。そして、ビジネススクールに学ぶことで、その準備をしたいと考えるに至りました。



■ スケジュール・費用
<スケジュール>
2012年12月 公費派遣生に選抜・TOEFL対策開始

2013年2月 新宿の英会話学校NCCに通学開始。英会話とともにTOEFLに関する指導を受け始める。TOEFL96点、焦る(2年前に受けたTOEFLは100点)。

2013年4月 TOEFL106点。

2013年5月 仕事が忙しくなり、英語の勉強が疎かに。TOEFL92点。

2013年6月 仕事が一段落し、GMAT対策に着手。しかし、過去問をまるで理解出来ず、驚愕。GMATの予備校を探すとともに、マスアカを注文。

2013年7月 Affianceに通学開始(Verbalクラスの1ヶ月のみ受講)。カウンセラーの捜索開始。

2013年8月 Affianceで出会った学友と週末に勉強する日々。TOEFL105点。GMAT1回目690点。

2013年9月 個人で活動されている日本人の方にカウンセラーを依頼。自分探しの旅が始まる。

2013年10月 自分探しの旅が続く。自分探しの旅が終わらない。GMAT2回目650点。

2013年11月 自分探しの旅がようやく終了。出願校セット。GMAT3回目630点。

2013年12月 1週間掛けてキャンパス・ビジットを敢行。GMAT4回目680点。

2013年1月 年末年始返上でR2の5校に出願。TOEFL106点。

2014年2月 残り1校に出願。Georgetownインタビュー in ソウル。Fuquaインタビュー in 東京。McCombsインタビュー in 東京。GMAT5回目720点(➡GMAT終了)。

2014年3月 Georgetown合格。Stanford不合格(invitation無し)。Fuqua不合格。MITインタビュー in 東京。Cornellインタビュー on Skype。

2014年4月 MIT不合格。Cornell合格(一度WLとなるも、繰上げ)。McCombs合格。Cornellへの進学を決定し、受験終了。


<費用>
予備校代、テスト受験料、テキスト・教材費用、キャンパスビジットのコスト、出願費用、を中心としてその他の諸雑費を全て含めると200万円以上かかっている筈です。詳しくは計算していません。世の中には知らなくて良いこともあると思います。

■ 予備校選び
<TOEFL、GMAT>
TOEFLに特化した塾には行きませんでした。新宿の英会話学校NCCにて英会話の傍ら指導を受けました。

GMATは、VerbalについてはAffianceで指導を受けました。Mathは、インターナショナル・マスアカデミーの教材を購入し、自習で対応しました。


<エッセイ他>
 Affianceの土佐先生に紹介いただいた日本人のエッセイカウンセラー(本人希望により個人名は伏せます)の方にお世話になりました。

 カウンセラーは、マラソンにおける伴走者のようなもので、とにかく人間としてのフィットが重要と思います。他にも数名のカウンセラーにお会いしましたが、この人間的なフィットを重視しました。また、このカウンセラーの門下生間の繋がりが非常に強く、共闘できる仲間がいたこともこの方に依頼した理由の1つです。


■ レジュメ
 役所に保管された出願書類の先例を見ながら一案作成し、カウンセラーの添削を受け完成させました。

 レジュメは、エッセーの作成を一通り終えた後に着手されることをおすすめします。と言うのは、エッセー審査を無事通過すれば面接審査に進むわけですが、大抵の面接の冒頭では「Walk through your resume.」と問われ、レジュメに基づき己の「ストーリー」を伝えなければなりません。



■ TOEFL
 多くの受験生がまず苦労する点と思います。120点満点のテストですが、出来れば110点は欲しいところ。

 自分は大学時代に交換留学のためにTOEFLを受験したことがあったため、錆び付いた英語力を焼き直すことで2度目に106点を記録。しかし、この中途半端な結果に満足せずに、スコアアップの努力を懸命に続けていれば、よりベターなスコアを出せたのではないかと反省しています。

 周囲の受験者の話も聞いた上での私からのアドバイスは、「是非、TOEFLを受験し続けて下さい」。

 私は1月に1回程度、思いついては申込といった具合に受験していましたが、ハイスコアを記録している人は必ずと言って良い程、10回以上受験しています(トータル30回受験したという強者も…)。勿論、受験者の英語力が最も重要なことは間違いありませんが、一方で「あるセクションが上がれば、他のセクションが下がる」という事象が頻繁に発生するのがTOEFLです。金銭的な負担は大きく、ETSへの怒りを禁じ得ないところではありますが、是非、受験し続けて下さい。


■ GMAT
 二度と思い出したくない試験であり、この試験のせいで、東京の試験会場が入っている帝国ホテルが嫌いになりました。

<予備校>
 はじめは自力で対策しようと思いましたが、GMATのOfficial Guideを初めて開いた際、まるで内容が理解できず。慌てて予備校を探し、Affianceにお世話になることにしました(Verbalのみ)。

 Affianceを選択した理由は、①講師の土佐先生に「しっかりスコアメイクするまで面倒見るよ」と仰って頂いたこと(お言葉通り、最後の最後まで本当にお世話になりました。)、②レクチャー自体は1ヶ月で終了するが、その後は同時期の受講生と共に自習を続けるため、受験仲間が多数出来ること(自分の場合、役所の中にMBA受験生が全く見当たらず、受験仲間を是非作りたかった)、の2点です。

<Verbal対策>

 GMATのVerbalはTOEFLに比して桁違いに難しいと思います。

 自分は、まずAffianceのレクチャーでVerbal Sectionがどのような問題から構成され、それぞれに対してどのようなアプローチで臨むべきかを学んだ上(2013年7月)で、Affianceで出会った仲間とともに大量の問題演習をこなしました。

 まずは「The Official Guide for GMAT Review(ペーパーブック)」のVerbalセクションを、Affianceが終了した8月・9月の毎週末、仲間の会社の会議室やオフィス街のカフェに集合し、時間を計って問題演習。8月に初回GMATを受験し、690をマーク(Verbalは31)。

 次いで、「The Official Guide for GMAT Verbal Review(ペーパーブック)」を引き続きAffiance仲間とともに対策。この間、意気揚々と2回目・3回目を受験しましたが、何故かスコアは25、23と撃沈。

 そこで、更に「GMAT King」を購入。PC上で起動するGMATのシミュレーションソフトであり、多数の公式問題が格納されているため、本番環境に慣れるという意味でも、正規の問題に慣れるという意味でもおすすめです。しかし、Verbalスコアは29でストップ。結局、各校への出願は初回スコアの690で臨むことになりました。

 各校へのアプリケーションを受験後、1月後半から再度GMAT対策を開始。何か特定の教材に特化するのではなく、過去の自分の演習結果を確認・整理するとともに、再度英文法を洗い直し。結果、2月のラストGMATでVerbalは38に上昇し、720点をマーク出来ました。

 

 私の経験から申し上げられるレッスンは次の5つです。

 

①「結局、地力を上げる他ない。」

 巷には「このパターンは即切り!」的なアンチョコが出回っていますが、何故それがそのようになるのかが理解出来ないうちは、大きなスコアアップは望めないと思います。私のスコアが最後に跳ね上がったのは、英文法を再度勉強し直したことが効いたように感じます。

 

②「己の弱みを把握し、メリハリある試験対策を。」

 GMATのVerbalセクションは、SC、CR、RCの3つから成り、各セクションにも様々な類型が見られます。自分が間違い易いのはどういうパターンかを過去の演習結果から確り分析・把握し、その弱みに応じた対策を講じることが大切と思います。

 

③「スピードを重視するべからず(少なくとも冒頭に関しては)」 

 GMATは、いわゆる「CATシステム」を採用しています。すなわち、正解し続ける程スコアが上がり、間違い続ける程スコアが下がります。そして、スコアの上げ幅・下げ幅は試験が進むに連れて収斂していくそうで。つまり、試験の冒頭でミスを連発してしまうと高スコアはまず期待できないそうです。

 Verbalセクションの全ての問題を制限時間内に終えることは至難のわざと思いますが、上記理由から、是非、冒頭の問題は時間をかけて慎重に解き、後ろの問題は、場合によってはランダムクリックして消化して下さい。最初10問の正解率がスコアを大きく左右するそうです(自分の2回目・3回目のスコア低下はこれが原因だったように思います)。

 

④「出来る限りの早期受験を!」

 GMATは、偏差値補正を施した上でスコアを計算します。これは、受験者層全体のレベルが高い程、良いスコアが出づらいことを意味しています。一般的なアプリケーションの出願期限は年末ですので、受験者層のGMAT慣れが進む前、年央頃までに受験を終えると、比較的容易にスコアメイクが可能かもしれません。

 

⑤「気を強く持つ」

 GMATは、手応えとスコアが反比例する試験と思います。事実、私が5回目で過去最高スコアを出したとき、内心「過去最悪の出来だ…」と思っていましたが、意外な数字を目の当たりにして大変驚きました。CATシステムによって正解すればする程難しい問題が出題されるため、どうか勿体ないスコア・キャンセルをされませんように!

 

<MATH>

 マスアカを自分で解くとともに、GMAT PREPで対策しました。

 

<AWA>

 アフィアンスで1日指導をいただいた意外は特に対策せず。

 

<IR>

 Official GuideとGMAT Prepで対策。

■ エッセイ
 私は9月にカウンセラーを依頼しましたが、自己分析に約3ヶ月を要したため、出願校の決定は11月末、そして、12月頭にキャンパスビジットを敢行し、12月中旬からエッセイを書き始めることとなりました。このようなスケジュールは決しておすすめ出来ません。出来るだけ余裕をもっての準備を心がけてください!

 さて、エッセイの作成ですが、私の場合、

 ①自己分析(自分の過去の行動・選択を洗い出し、己の価値観を徹底的に把握)、

 ②左記自己分析結果に基づく将来のキャリア・ゴール(或いは、ライフ・ゴール)の策定、

 ③同キャリア・ゴールを達成するギャップを埋めるためのビジネス・スクールを位置づけ(Why MBA? Why the school?)

 という3段階プロセスで進めました。そして、これらのプロセスをコーチングいただくため、先述の日本人の方にエッセーカウンセラー(本人希望により個人名は伏せます)をお願いしました。自分以上に自分のことを(恐ろしい程)理解いただいた、名コーチでした。以下、各プロセスについて記します。

 

①自己分析

 このプロセスに約3ヶ月を要しました。

 自分の名前にこめられた意味、両親の教育方針から職業選択まで、自分のこれまでの人生を振り返って、「いつ」・「何が起きて」・「その時自分は何を感じたか?」などなど、己を徹底的に洗い出した自分史を策定しました。両親へのインタビューは勿論、小学校時代の友人と飲みに出かけたり、実家に戻って学生時に書いた作文・論文を読み返したりもしました。

 他のカウンセラーに師事していた仲間は、自己分析は早々に終えて学校選びを進めており、「何故自分だけこんなにストイックに自己分析を…」と思うこともありました。しかし、強いエッセーとはアプリカントの「芯」が通ったエッセーであり、その芯を確立させるためには自分と徹底的に対峙し、己の最も根源的な価値観を炙り出し、そして抉り出すことが不可欠でした。最終的には極めて納得感の高いエッセイを書くことが出来たため、満足しています。また、エッセーを実際に書き始める前にカウンセラーと歩調を揃えておくという意味でも、このプロセスにたっぷり時間をかけたことは有意義だったと感じます。

 はじめに如何にしっかりした「土台」を作れるかが、エッセイの最終的な出来を大きく左右するはずです。

 

②ゴールの策定

 自己分析の結果を、未来に向けて引き延ばしました。ゴールの策定は、これまでのキャリアと連続的なものでも非連続的なものでも構わないと思いますが、自分の価値感と整合的なものとすることが重要と思います。

 

③Why MBA?

 この問への回答に当たっては、当然「MBAでは何が学べるか?」をよく踏まえる必要がありますが、自分はこの点をよく理解できておらず、苦労しました。やって良かったと思うことは、各校の必修科目を見比べてみることです。時間に余裕のある方は、グロービズシリーズを一通り読まれても良いかもしれません。

 

④Why school?

 志望校選定のセクションに記載致します。


■ 推薦状


 推薦状が必要である事は早めに上司に報告・相談されることをお勧めします。

 私は、当時の直属の上司(参事官)、前ポストでの直属の上司(課長)の二人に推薦状を書いて頂きました。ご本人に依頼したのは12月の頭位だったかと思います(反省しています)。

■ 志望校選定

 私は、主として以下の3点を基準に志望校を選定しました。

1 必修科目の内容(厚いか/薄いか、レクチャー・ケースのバランス等)

2 プロジェクトベースの取組へのフォーカス

3 エネルギー分野へのフォーカス

 

 これまで実ビジネス経験の無い自分がビジネススクールでの学びを最大化するためには、ビジネス・ファンダメンタルズを基礎からしっかり叩き込み、かつ、教室で知識をインプットするのみならず、それを実際のフィールドにアウトプットする経験が不可欠と考えました。このため、各校のカリキュラムを比較しながら、出来るだけ手厚い必修科目を提供し、レクチャー・ケースがバランスよく配置され、プロジェクトベースのプログラムが用意されている学校を選択しました。

 

 更に、私はエネルギー業界でのキャリアを志望しているため、エネルギーや持続可能性といった点に強いフォーカスを置く学校を選択しました。学校によっては、プログラムの中にこうした事項を専攻として位置付けていますし、Student Bodyがどれだけ活発に活動しているかもリサーチしました。

 

 以上の観点からウェブサイトを通じて情報収集を行い、志望校を絞り込んだ上で、私はキャンパスビジットも行いました。勿論、インターネットだけでも相当量の情報が得られますが、クラスの雰囲気やキャンパスの雰囲気はやはり現地に行かない限り絶対に分からないものと思います。多額の費用がかかってしまうことは事実ですが、学校への理解が格段に深まり、インタビューの内容にも自ずと深みが出るというものです(会話も盛り上がります)。「ビジットをすることで合格し易くなりますか?」という質問をよく耳にしますが、少なくとも、ビジットをすることで合格しにくくなることは無いはずです。辛く苦しいエッセイの執筆に当たってのモチベーションにもなります。私は、個人的にビジットを強くおすすめします。

 

 最後に、学校選択に当たって2点申し上げます。

 第一に、必修科目の学校別比較が大変おすすめです。学校によって「必修は5科目のみ」もあれば、「1年次の授業は全て必修科目」もあります。必修科目の集大成として「Strategy」を1年次の最後に位置付ける学校もあれば、プログラムの冒頭に位置付ける学校もあります。1つのセメスターに亘って1つの授業を提供する場合もあれば、セメスターを2つに分割して、セメスターの前半と後半に違う科目を配する学校も有ります。ひたすらケーススタディーに取り組む学校もあれば、理論を徹底的に叩き込む学校もあります。…と、このように「どのような科目を」「いつ・どのように教えるか」を比較するだけで、学校が何を意図してプログラムを組み上げているのかがよく理解できます。他方、あくまで個人的な所感ですが、選択科目や特定の教授を志望理由とすることは少々危険と思います。ビジネススクールでは生徒からの評価を基に恒常的にカリキュラムを見直していますから、仮に先輩が「特定の選択科目が印象的であった」と言うことがあったとしても、当該授業が、特定の教授によって未だに提供され続けているかは分かりませんし、今年は提供されていても、来年は無くなっているという可能性も十分に考えられます。

 第二に、カウンセラーの知見を大いに活用すべきです。受験生にとってMBA受験は「結婚」のようなもので、通常は1度しか経験しません。対して、カウンセラーは「個人にとっては一度きりの経験」を何度も経験されていますから、本当に色々なことを御存知です。全ての学校をあまねくリサーチしていては、いくら時間があっても足りません。ある程度の当たりを付けるに当たっては、積極的にカウンセラーと相談されると良いと思います。


■ インタビュー
 私は6校出願した内、5校からInvitationをいただき、東京での面接、ソウルに赴いての面接、Skypeでの面接の3種類を経験しました。

 対策としては、想定問答の作成が基本でした。Walk me through your resume、Why MBA?、Why school? Long-term Goal/Short-term Goal、Achievement、Failureなどのお決まりの質問に備えるとともに、Clear Admitに寄せられた投稿を見て学校特有の質問への想定問答も作成しました。作成した想定は、カウンセラーにチェックしていただいた上で、淀みなく言えるようになるまで練習しました。練習に当たっては、ビデオに撮って自分の表情を確認したり、カウンセラーにモックインタビューをお願いしたりもしました。

 ただし、あまり過度に丸暗記するのではなく、回答の「エッセンス」のみを身体に刷り込み、様々な形でアウトプットできるような状態にしておくことが理想と思います!


■ その他提出書類
 大学の成績証明書。郵送で入手しました。

■ アプリ提出後 
 私は年明けにTOEFL・GMATの双方を受験し、スコアアップデートを行いました。しかし、学校によっては「アプリ提出後は一切の追加情報を受け付けない」と公言しているところがありますので、注意が必要です(そのような学校に追加情報を送付してしまうと、寧ろマイナス評価となる)。

■ その他役立つ情報
 年末・年始に有給を取れる体勢を前もって敷いておくことが重要と思いました。大抵の受験者の方はRound 2で出願するところ、出願直前に仕事に煩わされることなく、エッセイのみに集中できる環境を予め整えておくと、肉体的・精神的に楽だと思います。

 自分は出願期限が近付いてきてから、慌ててお休みの相談をし、職場に大変迷惑をかけてしまったので、是非前もって有給取得のご相談をされることをおすすめします。

■ 受験を振り返って
 辛く苦しいプロセスでどう考えても二度と経験したくありませんが、本当に多くの学びが有り、「やって良かった」以外の感想はありません。

 まず、「人生の棚卸し」とでも言うべきプロセスを経たことで、己に対する理解が格段に深まりました。自分は何に価値を感じるのか、それ故に何を達成したいと願っているのかがよく分かりました。この理解無くして"Follow my heart"は出来ない。

 第二に、周囲に生かされている自分を明確に認識することが出来ました。上司に推薦状をお願いし、先輩に話を聞かせていただき、友人には他者を通じた自分を教えて貰い、様々な方に支えられている自分、周囲との中で定義されている自分を強く感じました。また、社会人になってからこれだけ多くの「仲間」が出来たことも、MBA受験の大きな財産だと感じています。

 第三に、過去の自分を反省することが出来ました。エッセイを書く過程では、過去の自分が「何を考え」「どう行動したか」を徹底的に思い出すわけですが、お恥ずかしい話ですが、自分は、紙面に落とした”優良事例”以外の無数の”不良事例”に遭遇しました…。しかし、悪い意味でも仕事に慣れてきてしまったタイミングで、己の悪い部分を明確に認識し、対峙出来たことの意味は相当に大きいのではないかと感じています。

 冒頭に記した通り、私は過去の先輩方に沢山お世話になりましたので、この恩を今後の受験者の方々にお返し出来ればと思います。何かお力になれることが有りましたら、お気軽にご連絡いただければ幸いです!

K点 (Cornell Johnson)

 

基本情報

【ハンドルネーム】K

【進学先】Cornell

【他の合格校】USC, St. Gallen

【途中辞退】Georgetown, UNC

WLGeorgetown, UNC

【不合格校】

1年目・・・ Cornell (インタビュー無), Tuck (オープンインタビュー), Duke (インタビュー無), Kellogg (オープンインタビュー), LBS (インタビュー無), UCLA (インタビュー無)

2年目・・・Tuck (オープンインタビュー), Duke (オープンインタビュー), Darden (インタビュー無), Emory (インタビュー無), UCLA (インタビュー無)

【年齢・性別】29歳・男性

【職歴】国内不動産デベロッパー勤務7年(マンション営業→人事→マンション海外営業)

【私費/派遣】私費

【最終学歴】一橋大学商学部

GPA2.66…_||

TOEFL104 (R 29 L 29 S 23 W 25)

GMAT690 (V 38 M 46 IR 4 AWA 5.0)

【海外経験】小学校1-2年生:ザンビア, 小学校3-6年生:オーストリア, 高校2-3年生:アメリカ, 社会人6-7年目:台湾・中国

【コメント】

「こうすれば受かるMBA」のタイトルに矛盾するようだが、「こうしても受からなかった」事例は多々あっても、「こうすれば受かる」という秘訣のようなものは無い。この受験体験記も、結果論に過ぎず、他の人に当てはまるとは全く思えない。合格者がなぜ受かったかというと、受かるまで受け続けることができたからだ。最終的に受かった理由など断定不能だし、そもそも人によって異なるので一概に言えない。

 

MBAの試験とは、一言で言うと「まぐれ合格を出さない」ことを目的とした試験だと思っている。日本の大学の学力一発受験とも、演技力がモノを言う企業の採用面接とも違う。学力・過去の成績・語学力・仕事経験・コミュニケーション能力・海外経験・リーダーシップ・協調性等、ありとあらゆる観点から受験者を丸裸にすることで、その学校に真に相応しい者だけを選ぶのである。

 

私は、過去に日本の学力一発受験がうまくいった経験から、「自分はすぐ受かる」などと無駄なプライドと根拠なき自信を持っていたが、そんなものは全く役に立たなかった。それどころか、それらが故に受験の本質と全体像を見誤り、膨大な時間と労力と資金を注ぎ込む羽目になった。GMATTOEFL等の一側面に因われずに、MBA試験とはどのような試験なのか、全体を広く捉えた上で、準備を進めることが一番の近道であることを、私の行き当たりばったりの受験体験から感じ取って頂けると幸いである。

なお、個人ブログに別観点からの体験記を書いている。
→ Konstruktionspunkt | K点 コーネルMBAを越えて

 

私自身ならびに私の受験体験記のキーワードは次の通りだ。当てはまる方には役立つかも知れない。

MBAへの憧れ先行

・帰国子女(ただし田舎の高校生の日常英会話程度)

・低GPA

・私費(そして貯金も足りない)

・内需産業企業(不動産デベロッパー)勤務。営業・人事

・不合格延べ11校、MBAを意識し始めてから合格までの所要期間3年弱

 

 

■ なぜ今MBA?

(感情)

率直に言って、きっかけとしてはMBAへの憧れが一番大きい。東日本大震災後にボストン旅行に行き、ハーバード・MIT等の知的な雰囲気と洗練された学生達を目の当たりにした。その時に、自分もこんな世界でもう一度勉強し直したいと思った。ちょうど、超ドメスティックな不動産企業での仕事の幅に限界を感じていて、毎日つまらなく感じていた為、世界中から一流の人間達が集まる中で自分を鍛えてキャリアをリセットし、広い世界へ飛び出したいと思った。多額の費用が掛かることも、在学中は無職無収入になることもわかっていたが、好奇心に強く背中を押された。

 

(論理)

いくら行きたいと思っても、結局MBAで学んでその後何をしたいかは、大いに考えなければならない。

私の場合、MBAで経営学を広く学び、消滅の危機に貧しているスキージャンプ競技界の活性化に貢献したいと思った。私はかつてスキージャンプの選手だったが、資金不足で競技を継続できず、非常に辛い思いを味わった。私だけでなく、一部のトップ選手以外の他の選手達も同じような状況にあり、競技人口も競技資金も減少する一方である。このままでは競技自体が消滅すると危機感を持っており、元々この現状を何とか打破したいと思っていた。だが、超ドメスティック不動産会社での営業と人事の経験しか持っていない私は、競技界そのものを変革するにはいかにも頼りない。故に、MBAを通じて経営学全般の幅広い知識、背景の全く異なる人々と議論しながらチームリーディングする力、そして世界中の次世代リーダー達との広い人脈を得ることによって、現実に競技界変革を成し得るだけの人間になることが必要だと考えた。

 

 

■ スケジュール・費用

<スケジュール>

20104 :友人からMBAの話を聴き、存在を認知

20115 :ボストン旅行中にハーバード・MIT等を訪問(観光)し、感動して、MBA留学を一念発起

20118 :大学の恩師に留学相談。「考えが甘すぎる」と返り討ちに遭い、諦める

20124 :大学の先輩から留学するという話を聴き、一念発起

20125 :志望校も決まらないまま、とりあえず独学でTOEFL勉強開始

20126 :初TOEFL88

20127 TOEFL102点(1年目出願スコア)。Y.E.S.に入学し、GMAT対策開始

20129 :初GMAT 530点。E4TGに入学し、今更TOEFL Speaking対策開始

201210 GMAT2回目550点。凄惨なスコアに泣きながら濱口塾に入学

201212 GMAT3回目690点(提出スコア)。R2へ向けてエッセイ対策を始めようとカウンセラーを当たりまくるも、「間に合いません」と断りの嵐

20131 TuckDuke出願。Tuck弾丸キャンパスビジット&オープンインタビュー。返り討ちに遭って泣きながら帰国。Chicagoにも帰りに寄る

20132 LBS出願

20133 Cornell, UCLA出願。Cornellキャンパスビジット

20134 Kellogg出願

20135 Kelloggオープンインタビュー

 

〜台北転勤〜

20136 出願全校インタビューインビテーション無しの完全不合格が決定。転勤後の仕事の嵐も重なり、受験への気力を失う

20137 Tuck説明会に参加し、一念発起(1年ぶり3度目)

 

〜入籍〜

20138 TOEFL104点(最終出願スコア)

20139 新婚旅行を兼ね、TuckDukeキャンパスビジット&オン・キャンパスオープンインタビュー

201310 TuckDuke出願

 

〜上海転勤〜

 

201312 GMAT4回目(不出来によりキャンセル)

20141 DardenEmoryGeorgetownSt.GallenUCLAUNCUSC出願。GeorgetownSt. GallenUNCUSCよりインタビューインビテーション

20142 Cornell出願。St. Gallen UNC USCGeorgetownインタビュー

20143 Cornellよりインタビューインビテーション。St. GallenUSC合格。CornellGeorgetownUNC Waitlist入りのお知らせ

20144 Cornell合格。受験終了

 

<費用>

受験中は、ケチケチ受験になって必要な投資ができなくなることを恐れ、受験費用はあまり考えずにいたが、これを機に厳しい現実に向き合ってみることとした。以下の通り。

 

 

380万!!!

道理で貯金が貯まらなかった訳だ…_||

 

山のような書籍群(これでも一部)
 

■ 予備校選び

TOEFL

SpeakingE4TGWritingY.E.S.の講座をそれぞれ一ヶ月程度受講。

 

GMAT

Y.E.S.SC2ヶ月程度受講したが足りず、濱口塾をSkypeで受講。

 

<エッセイ他>

受験1年目に日本人カウンセラーに依頼したが、質も対応も悪く、最終的には元・TuckアドミッションでCornell出身のNorthstar Admissions代表・Karen Marks氏(http://www.northstaradmissions.com )に依頼した。カウンセラーの質は本当に合否を分けると思う。MBA受験は、カウンセラー不要の日本の学力一発受験とは全く性質が異なるので、大金を出してでも実績豊富なカウンセラーに依頼すべきと感じた。

 

 

■ レジュメ
カウンセラーKarenと話しながら書き上げた。レジュメは受験の全過程で使用するものなので、完璧なものを一度仕上げてしまうと楽。プロの書き方もあるので、カウンセラーに要相談。

 

 

TOEFL

高校時代にアメリカに1年間留学していた為、ReadingListeningは特に問題なく独学でカバーできた。一方、WritingSpeakingは、ネイティブでも苦労する程、テクニックが必要とのことだったので、塾(Writing: Y.E.S., Speaking: E4TG)へ行ってテクニックを学んだ。特にSpeakingについては、かなり回答時間が限られている為、テクニック無しでは太刀打ち出来ないと感じた。ある程度テクニックを学んだら、ReadingListeningを含め、ひたすら模試をやりまくって問題量をこなした。試験時間も長く、集中力が途切れたら終わるので、その辺も含め鍛える必要があると感じからだ。

 

Reading 自己ベスト30点)

お馴染みの”TOEFL英単語3800”で語彙力を高め、あとはひたすら問題練習を行った。20分以内に確実に余裕を持って1問を終えることが一番重要だと感じた。時間不足で問題を落とすことが一番勿体無い。

 

Listening 自己ベスト30点)

BBC World Serviceのポッドキャストを暇さえあれば聴いた。他はひたすら問題練習。

 

Speaking 自己ベスト23点)

E4TG1ヶ月間4回受講。非常に効率的にテクニックを学ぶことが出来た。できればもっと通いたかったが、全く余裕が無くなり、1ヶ月で終了。ただし、その後も自分が話すのを録音して聴きながら、復習に復習を重ねた。

 

Writing 自己ベスト25点)

Y.E.SWriting講座を受講。テンプレート通りに書けるようになっても点数が上がらなかったが、ひたすら語数を多く書くようにしたら、点数が上がった。

 

 

GMAT

最終スコアは690だったが、700以上が望ましいと思う。カウンセラーからも「あと10点あれば」と何度言われたことか

当初、Y.E.S.SCを習い、あとはGMAT Official GuideRCCR、マスアカデミーの問題集でQuantitiveを独学して臨んだが、全く歯が立たず500点台に留まった。しかし、濱口塾の濱口先生に泣きついて入学し、大量の教材でVerbalQuantitiveを毎日それぞれ1回分やり続けたら、1ヶ月間で140点上がった。やはりGMATTOEFL同様、1科目だけで勝負が付くわけではないので、SCに特化するようなやり方は望ましくないのだと感じた。練習量をこなす意味では、濱口塾の膨大な問題&解説と、日中深夜を問わず質問メールに即レスをくれる態勢に勝るものは無いと思う。
なお、Kaplanの問題集にオンライン実践模試がたくさん付いてくるのでお勧め。本番はとてつもない長時間、集中力を持続させなければならない為、模試をやりまくって慣れた方が良い。

 

Verbal 自己ベスト38点)

上記の通り、Y.E.S.2ヶ月行った後は、ひたすら濱口塾の教材でトレーニング。単語は”TOEFL英単語3800”で十分だと思う。なるべく練習量を積んで、速く解けるようにしないといけないと思った。

 

Quantitive 自己ベスト46点)

独学。マスアカデミーの教材で基礎を学び、その後はひたすら濱口塾の教材でトレーニング。ただ、センター試験偏差値50割りという輝かしい実績を持つ文系脳の私は、結局46点という貧弱な点数に留まった。

 

Integrated Reasoning 自己ベスト7点)

「選考に関係無い」との情報を信じて、模試以外何もせず。最高7点だが、提出スコアは4点…。

 

AWA 自己ベスト5.5点)

後述の元・TuckアドミッションメンバーのKarenの話ではAWAは結構アドミッションは見るらしい。当初はまともに勝負していたが、4.0しか取れなかった。濱口塾のテンプレートを前日に覚えて、語数を増やしまくってテンプレート通りに書いたところ、最低でも5.0が取れるようになった。

 

 

■ エッセイ

エッセイはMBA受験で最も大切な部分と言われるだけあって、相当なリソースを注入する必要がある。それに加え、アドミッションの考えや判断基準は受験生の想像の範疇を完全に超えている。従って、エッセイに独力で臨むのは無謀で、カウンセラー(それも実績豊富なトップカウンセラー)の力を借りるのが一番の近道だと感じている。

 

1月の出願へ向けてまさかの12月中旬からエッセイ対策を始動した受験1年目は、数々のトップカウンセラー達から「間に合わない」と断りのオンパレードの後、唯一引き受けてくれたリーゾナブルな料金の日本人カウンセラーの指導を受けて執筆。自分の正直な気持ちをひたすら羅列した草稿を投げると、次々と「イイね!」と返事がくるので「本当にこれで良いのか?」と半信半疑ながらも学校に提出した。ところが、間もなく不合格通知の嵐に襲われた為、再度相談したところ、まさかのエッセイ内容否定の返答がきた為、怒りと呆れでその後相談することは無かった。また、カウンセリングも結局初回のみで、その後は面談を申し込んでも多忙を理由に断られる一方だったので、非常に悲しい気分になった。

 

受験2年目はTuck卒業生の推薦で、元・TuckアドミッションでCornell出身のNorthstar Admissions代表・Karen Marks氏(http://www.northstaradmissions.com )に依頼した。先方がアメリカ在住で直接会えないし、料金も1校目が3,750USD2校目以降が1,000USD/校(ただしレジュメ作成・インタビュー対策・ウェイトリスト対策・アドミッションへのメールの添削等、諸々セット)ととてつもなく高く、前述の件でカウンセラー不信にもなっていたので非常に迷ったが、頼れる人もいなかったし、実績も豊富なので依頼した。これが吉と出た。Karenはまさにプロフェッショナルで、Skypeやメールで何度も私の話を聴いた上で、エッセイのいろはからしっかりと指導してくれた。

 

私は元々、エッセイとは、自分の気持ちをぶつけるものだと思っていたので、卒業後のゴール等、現実的であるか否かに関わらず、自分の思った通りに書き、彼女にもその意図を主張した。ところが、それを読んだ彼女は次のように述べた。「あなたのゴールが他の誰にも無い独創的なもので、素晴らしいことは良く分かるのだけど、これではどこにも受からない。あなたのゴールは、前例もないだろうし、果たして本当に学校のプログラムを通じて達成できるのか判断がつかない。学校だって、プログラムを通じて生徒にはゴールを達成してもらいたいと思っているのだから、判断できない状態では合格を出したくても出すわけにはいかない。だから、学校側がこれなら達成できると判断できるようなわかりやすいゴールにしてあげないといけない。それがあなたの直接のゴールでは無いにしても、少なくとも関連はあるものであれば良いと思うし、そもそも受からないとあなたは前に進めないのだから、柔軟に考えなさい。」

 

結局、彼女の言う通り、より現実的な方向でエッセイを書いて出願したところ、インタビューインビテーションが次から次へと届くこととなった。こういう的確なアドバイスは経験・実績豊富なカウンセラーにしかできない。評判の高いカウンセラーの料金は高いが、まさにこのようなプライスレスのアドバイスを売り物にしているが故である。また、年末年始に8校ものエッセイ執筆&出願を詰め込んだにも関わらず、彼女は超速の添削で対応してくれた。彼女こそ真のプロフェッショナルだと感じた。

 

 

■ 推薦状

私費の為、勤務先に内密で受験した私にとって、受験1年目は推薦状こそが大きな課題だと感じていた。バレないかどうかビクビクしていた。ただ、後で振り返ってみると大したことではない。バレたところでどうせ受かったら辞めるのだし、受験をしているだけで不利益を被るような会社なら、それこそさっさと辞めるべきだ。結局、理解のある尊敬する先輩社員に依頼して快諾頂いた。

 

先輩が英語が得意でなかったことに加え、1年目は時間に余裕がなかったこともあり、名前だけ借りて、私が推薦状を書いたが、受かることはなかった。2年目の受験前にカウンセラーKarenに相談したところ、アドミッションにとっては文章のクセで同じ人が書いたことを見破るなんて訳もないので、絶対にやるべきではないと注意された。だが、いきなり英文を書いてもらうことはできないので、先輩にインタビューし、それを英語の得意な友人に文章に書き起こしてもらい、送付してもらうようにした。

 

 

志望校選定

MBA受験準備を始めた当初は、どんな学校があるかも知らないまま、突っ走っていたが、次第に次のような優先順位で志望校を選ぶこととなった。

 

①ランキング上位であること

私費なので、莫大な投資に見合うだけの見返りのある大学であるか否かは非常に考慮した。プログラムの内容にはあまりランキングは関係ないのかも知れないが、少なくともランクが高い程、世界中からトップクラスの人々が集まっているのではないかと考えた。

 

2年制であること

学部時代に全然勉強しなかった私にとって、1年間は短すぎると思った。また、以下③を達成すると言う観点でも、1年間は短すぎると思った。また、2年間じっくり今後のキャリアを考えたいと思った。

 

③少人数制で学生同士の仲が良いこと

学校へ行くのは2年間だが、その後もずっと続くような濃密な関係をクラスメイトと築きたいと考えた。勉強した内容はやがて忘れてしまうかも知れない。だが、世界のリーダー達とのネットワークは大きな財産として残り続けることだろう。また、少人数制だと、自分がリーダーシップを発揮する機会をより多く持てるのではないかとも考えた。

 

④田舎にあること

上記③の達成の為に、授業時間の終了と共に学生がそれぞれのコミュニティに散らばっていくような環境は避けたかった。田舎で授業が終わった後も、学生同士一緒に過ごすような、ある意味逃げ場の無い環境が良かった。そして、生活費の観点からも物価や家賃の安い田舎が望ましかった。

 

⑤教育内容のバランスが良いこと

学部時代に部活一辺倒だった私は、経営学全般を基礎から学びたいと思った。従って、ファイナンススクールやマーケティングスクールと呼ばれる学校ではなく、バランスの良いプログラムを提供している学校が良かった。

 

⑥スキージャンプの盛んな地域にあること

卒業後にスキージャンプビジネスに携わりたいと思っているので、できれば在学中にアメリカの競技関係者とネットワーキングをしておきたいと思った。(あまり該当する地域は無いが…)

 

上記の通り、色々な観点で考えたものの、全て満たしている学校などほとんど無いし、そもそも絞ったところで受からなければ意味が無いので、結局この条件を満たさない学校もバンバン受けた。たまたま上記条件を全て満たすCornellに合格できたので、本当にラッキーだったと思う。

 

 

インタビュー

インタビュー対策と言うと、千本ノックのようなトレーニングで、どんな質問にも条件反射的に答えられるようにするものだと思っていたが、カウンセラーKarenはそれも違うと言う。曰く、「対策し過ぎると、単に暗記した文章を垂れ流すだけの回答マシーンに見えてしまう。それこそ、暗記しか能力の無い人間と自ら言っているようなものなので、止めるべきだ。主な質問の大筋の回答だけ頭に入れて、後はその場で話せば良い。」と。そして、実際に私は不安でトレーニングしたくてたまらないのに、「もう不要」と打ち切られることもあった。ただ、実際に受けてみると確かにその通りだと感じた。特に、後述するSt. Gallenインタビューは1時間半にも及び想定の範囲を超える質問のオンパレードだった為、どんなに対策しても意味がなかったと思う。

 

また、多くの学校が選考の最後の関門としてインタビューを用意している…ように見えるが、実際はそうではないとのこと。カウンセラーKarenは、「確かにインタビューは多くがインビテーション制で、それまでのエッセイ等で選考を通過しないと受けることもできないけれど、あくまで幅広いアプリケーションの一要素でしか無いので、インタビューが良かったから合格したり、悪かったから落ちたりするものものでもない。だから、インタビューが悪かったからといって落ち込む必要はない。」とCornellインタビューがボロボロで意気消沈していた私に教えてくれた。

 

Skypeインタビューは話が伝わりにくいので、極力キャンパスに行くべきだとの議論があるが、そうでもないかと思う。確かに実際に会って話した方が、話しやすいとは思ったものの、私の場合Skypeインタビューしか受かっておらず、直接インタビューは全てウェイトリストか不合格となった。自身の居住地にインタビュアーが来てくれれば良いが、そうでなくオンキャンパス以外はSkypeと言うケースも多い。私費受験生の場合、その都度渡航しようものなら、大変なことになるので、Skypeで受けて良いと思う。心配はいらない。

 

以下、時系列に受験校インタビュー概要。

Tuck

1年目

Round 2のオープンインタビュー最終日にキャンパスで受験。面接官は学生1人。Why MBA? Why Tuck? Short-term goal, long-term goal. The biggest failure. Team work experience...等、極めてオードソックスな質問だったが、インタビュー慣れしていなかった為、全くうまく答えられず、泣きながら帰国。30分間。

 

2年目

前回受験から半年しか経っていなかったが、年度のオープンインタビュー初日に再度キャンパスで受験。面接官はアドミッション1名+学生2名(学生インタビュアーのトレーニングを兼ねていた模様)前回同様、極めてオードソックスな質問。ほぼ完璧に回答したが、結局合格には結びつかず。30分間。

 

Kellogg

東京でオープンインタビュー。面接官は日本人卒業生。英語にて実施。質問はTuckと似たようなオードソックスなもの。30分間。

 

Duke

オープンインタビューをキャンパスで受験。面接官は学生1名。向こうも面接慣れしていなかったようで、質問リストのようなものを読み上げていた。無難に回答していたが、相手が非常に眠そうで、目が閉じ掛けていたので、不安と怒りを抱えたまま帰国。30分間。

 

USC

インビテーションによるアドミッションインタビュー(Skype)。Why MBA? Why USC? Short-term goal, long-term goal. Leadership experience...等まではオードソックス。What motivates you?という変化球有り。質問が漠然とし過ぎていたので何度か聞き直して、質問を具体化してもらってから回答。当方からの質問としては、「なぜUSCは東京オフィスを閉めてしまったのか?」という質問をしたが、先方がその事実を知らず答えられなかった。後にKarenから「相手を追い込むような質問は止めなさい」とお叱りを受けた。30分間。

 

St. Gallen

知る人ぞ知るスイスの名門校。インビテーションによるアドミッションインタビュー(Skype)。3日前に課題(企業・労働倫理に関する問題)を与えられ、それに対して5分間で自身の考えをプレゼンテーションをする形式のインタビュー。プレゼンテーションもきつかったが、その後のインタビューも1時間半に及び、一番しんどいインタビューだった。オードソックスな質問は一瞬で終わり、後はひたすら自身の経歴について重箱の隅を突くような質問をされ、丸裸にされた。「中国で苦労していることは何か」「中国語は話せるのか」「なぜせっかく中国に行っているのに中国語を話せるようにならないのか」「受験校はどこか」「前回GMATを受けてから時間が空いているが、その間に他校を受験しなかったのか」「MBA行かなくても転職の道だってある。何でそうしないのか」「君はみんなの先頭に立って引っ張るような”将軍”のようなリーダーには見えないが、リーダーシップは発揮できるのか」…etc。初めは焦ったが、途中から開き直りの境地に達して、英語を間違っても気にせずバンバン答えていった。こちらからの質問では、カウンターパンチとしてSt. Gallenの知名度の低さを指摘し、広報戦略等は無いのか、日本の受験生が何を求めているか知らないのか等を尋ね、一矢報いてやった。1時間半はさすがに疲れたが、何とも達成感のある面白いインタビューだったと思う。

 

UNC

卒業生とのオープンインタビュー。上海のホテルの喫茶店で日本人卒業生と英語で実施。Tuckと同じようなオードソックスな質問で30分間…の後、日本語で1時間半雑談(おそらくこれもインタビューの一環なのだろう)。会心の出来だったがウェイトリスト止まり。

 

Georgetown

インビテーションによるアドミッションとのインタビュー。上海のホテルのロビーで実施。極めてオードソックスな質問で30分間。アドミッションがソウルや北京を周ってきて、当日夜に帰国とのことで、くたびれきっていた。会話が噛み合わず。中国にいる卒業生の紹介を依頼したもののそれもお断り。後味の悪さが残った。

 

Cornell

合格発表の10日前にインビテーション。アドミッションとのSkypeインタビュー。概ね普通の会話。Cornellで如何に貢献したいと思っていて、自分の経験上実際にそれができると思っているかをとにかくアピールした。冒頭で、面接官が、私が高校留学したド田舎の村を訪れたことがあることがわかり、盛り上がった…のも束の間、その後英語がうまく出てこなくなってしまい、たどたどしくぎこちない英語になってしまった。質問に変化球が多く、狼狽した為かと思う。変化球とは、Walk through your resume.の代わりに、How have you expanded your responsibilities? など。気合を入れて臨んだにも関わらず、全く手応えが無く終わってしまい、涙が溢れ出てきた。が、結局何故か合格に至った。

 

 

■その他提出書類

大学成績証明書と卒業証明書。

(「資金証明を提出しなければならない」ととあるカウンセラーに言われたことがあったが、結局ビザ取得手続きまで、そんなことは無かった。私費の人は、貯金が少なくても受験を諦めるべきではない。)

 

 

■ アプリ提出後

私の場合は、2年目の受験で、CornellUNCGeorgetown3校から同時期にウェイトリスト入りを告げられた。それまで、様々な合格者やカウンセラーのブログ等で、「ウェイトリスト対策が生死を分ける!」等の情報を見てきたので、大いに焦ってカウンセラーKarenに相談した。ところが、驚いたことに次のような返事が返ってきた。「ウェイトリスト対策は、何をやったら良いというのは決まっておらず、追加エッセイやビジットによる対策はほとんど意味が無い。なぜならば、合格者というのは年齢・性別・国籍・人種・経験産業・語学力等様々な観点から、学年のバランスが良くなるように決めるのものだから。つまり、辞退者が出るか、学校側の求める基準やあなたのプロフィールそのものが変わらない限り、繰り上げ合格になることは無い。追加エッセイを書いたり、ビジットしたりしても、それが評価されて繰り上げ合格となるようなことは無い。私もアドミッションにいた時は、追加エッセイが届いても気にも留めなかった。だから、Cornellへの追加ビジットも止めておきなさい。それよりは、あなたが行くことになるかもしれない合格校のUSCにビジットして合うか合わないかを見てきた方が良いし、キャリアゴール具体化の為に、色々な人に会って話を聴いてきた方が良い。」

 

矛盾するようだがCornellの場合はKarenのアドバイスで、何をすべきかを直接アドミッションに質問したところ、本当に教えてくれた。「語学力アップの為に英語スピーチサークル”Toastmasters”へ参加の上、活動状況を報告」「キャリアゴール達成手段および達成できない場合の”Plan B”の具体化」とのことだった。TOEFLの点数があまり良くなかった為、先方提示の2点に加えて自主的にTOEFLも追加受験することとし、直ちにこれらの対策を開始した。しかし、そのわずか10日も経たないうちに、突如受験は終了することとなる。まだ対策を始めたばかりで、当然、学校に状況報告もしていなかったにも関わらず、合格通知メールが届いたのだ。メールを受信した時はあまりにも信じ難かったので、大学に電話を入れて確認したところ、確かに合格だとのこと。改めて私のことが会議で議論され、繰り上げが決まったそうだ。多分、辞退者が出たのだと思う。結果的に、ウェイトリスト対策そのものの効果に疑問符がつくことをラッキーな形で実感した。

 

 

その他役立つ情報

MBA受験は仕事のパフォーマンスが大事である。

私は元々、受験勉強を始めた頃は仕事が嫌で嫌で堪らず、会社から逃げ出す意味も込めて受験勉強をしていた。仕事へのモチベーションが極めて低く、「どうせMBA受かったら辞めるんだから…」とかなりいい加減に仕事をして、受験勉強にリソースを投入するようにしていた。だが、それ故に、エッセイやオープンインタビューで仕事のことを述べる際は後ろめたさから抽象的な話しかできなかった。受験1年目はインタビューインビテーションすら無い全校完全不合格という結果だったが、今振り返ると然るべき結果かと思う。

 

その後異動で台北・上海へ転勤となり、人数の少ない海外拠点の運営に否応なしに深く関与することとなった。営業・人事・総務・経理・システム等、全てを受け持つこととなった為、多忙過ぎて休日もほとんど無かったが、業務に大いに貢献していると言い切ることができたし、拠点の成績も上がって自信がついた。また、ローカルスタッフのマネジメントに苦悩したことから、自身に足りない点を認識することができた。同時に、異文化環境で働くことが如何に大変なことかを実感し、ダイバーシティへの適応能力や英語によるディスカッション能力を高める必要性を感じた。これらがMBAへ行く意義を肉付けすることとなった結果、エッセイ・インタビューのいずれに於いても、具体性があり、自信が滲み出るような回答をすることができたと思っている。

 

我々日本の受験生はこれまでの日本の学力一発受験の経験から、ついついGMATTOEFLスコア等ばかり気にしがちだが、MBAの学生にはあくまで経験を積んで実績を残したビジネスパーソンが求められていることから、仕事を疎かにして受験に専念しても合格者として相応しい人物になることができないのだと思う。私の場合は、強制的に一生懸命働かざるを得ない状況に置かれたことが幸いしたと、改めて感じている。

 

 

  その他役立つ情報

(ネットワーキング・キャンパスビジット)

CornellTuckDukeChicagoにキャンパスビジットをした。Cornellは休日でアドミッションに会えず、授業見学も出来なかったが、在校生の話を聴き、キャンパスを徘徊。美しいキャンパスに憧れた。TuckDukeは新婚旅行と(!)、オンキャンパスのオープンインタビューを兼ねてビジット。ビジットは雰囲気を感じられ、在校生にも親切にして頂いて、非常にモチベーションが上がった。妻もビジットを通じ、留学を応援する気を高めてくれた模様。加えて、カウンセラーKarenのこともビジット先で知り合った親切な在校生の紹介により知ることができた。ただし、正直に言って私費受験生には、お金も時間も掛かるのでビジットはキツイ。

一方、ビジットが選考上有利になるかというと、実際はそうでもないとのこと。カウンセラーKarenTuckの元・アドミッションメンバーだが、CornellWaitlist対策として再ビジットを考えている旨相談したところ、「アドミッションはそんなもの気にも留めないから意味が無い。それよりは受かった学校にビジットして合うか合わないかチェックした方が良い。」とのアドバイスを頂戴した。

台湾・中国駐在中でも在校生や卒業生とのネットワーキングは可能だった。海外駐在中の受験生も、日本人とはSkypeで話せば良いし、現地の卒業生は無論英語を話せるし、受験生に好意的な人も多いので、心配する必要はない。

 

(総括:結局、どうしたら受かるのか?)

冒頭でも述べた通り、MBA受験に「こうしても受からなかった」は多々あっても、「こうすれば受かる」という秘訣は無い。どれも結果論に過ぎない。合格者がなぜ受かったかというと、受かるまで受け続けることができたからだ。

 

私費MBA受験の最大の敵は、受験期間中の環境変化だと思っている。MBAを志す人々の多くは20代後半から30代半ばだ。この時期というのは、結婚・出産・昇格・転勤・転職・親の引退等、人生最大級のイベントが多発するとんでもない時期だと思う。このような時期に、肉体・精神・時間・金銭の4面全てに於いて膨大なリソースを投入してMBA受験を継続することは困難を極める。(そして、合格したところでその後2年間は膨大な借金を抱え、異国で無収入で過ごす日々が待っている。)

 

私費留学を志して共に受験勉強をしていた人々の中には、途中で受験を断念してしまった人は少なくない。だが、多くの場合は彼らの志の問題では無い。行きたくても環境変化の結果、断念せざるを得なかったのだ。大学受験の時のように、一人で勉強に専念すれば良く、しかも周囲のサポートを当然に受けられる状況であれば、これを乗り越えることもできるかも知れない。だが、我々の年齢では、家族や職場のことも考えねばならず、そういう訳にはいかないのだ。妻あるいは自身が出産し、子をこれから養っていかねばならない…というような状況下で、日々受験勉強に時間と労力を注ぎ込み、何百万という多額の受験費用(受かったらさらに2,000万)を投入するようなことを、果たしてどれだけの人ができるだろうか。他者に対して責任を持つ立場になった状況下にも関わらず、周囲の協力を得て、受かるまで受験を継続することができた ― それが受かった人々に共通するポイントであり、「こうすれば受かるMBA」と言える唯一の点ではないかと思うのである。

 

 

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