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IH (Michigan Ross)

 ■ 基本情報

【ハンドルネーム】IH

【進学先】Ross(R2)

【他の合格校】Tepper(R2)・McCombs(R2)

【途中辞退】なし

【WL】なし

【不合格校】Stanford・MIT・Haas・Kellogg・UCLA

【年齢・性別】30歳・男性

【職歴】官庁勤務6年

【私費/派遣】派遣

【最終学歴】東京大学大学院数理科学研究科修士

【GPA】3.3(学部)3.7(修士)

【TOEFL】106 (R 29 L 28 S 22 W 27)

【GMAT】720 (V 36 M 50 IR 8 AWA 4.5)

【海外経験】7-10歳アメリカ在住(でも全然話せません。英語は苦手です。)

【コメント】

運良く省内選考を通過したおかげで、受験を思い立ってから一年程度という短期決戦でしたが、何とか合格することができました。官庁出身ということでトラディショナルではないバックグラウンドであり、かつ、周辺に経験者やMBA志望者が多くなかったため孤独な戦いを強いられましたが、本格的に準備を進めるにあたってかなり合格体験談を徹底的に読み漁って戦略を練り上げたおかげで、全体を通して言えばかなり効率的に準備を進められたと思います。私の経験が少しでも参考になれば幸いです。

 

MBA受験を思い立つまで、正直言うと私は留学というものそのものに興味がありませんでした。一方で、将来的に国際的な舞台で活躍したいという希望は持っており、社会人二年目に少し余裕ができたことから一念発起して、帰国子女なのに英語が全然話せないと苦手意識を抱え続けていた英語を克服しようとTOEICを始めました。これに大いにはまってしまい、あくる日もあくる日もTOEICを解き続けた結果、2年半ほどでTOEIC990点を取得できました。今思えば、これが下地になって、TOEFLやGMATを短期間で克服できたのかと思います。余談ですが、TOEICはスピーキングとライティングを鍛えることはできませんが、リスニング、文法、語彙に関しては、TOEFL、GMAT対策の足固めにぴったりだと思います。受験料も安いので、まだ時間がある(3年ぐらいある)方はTOEIC対策から始めて足固めをしてもよいのではないかと個人的には思っています。

 

なお、私は業務外で魅力的な活動を行っておらず、業務上も民間の方に比べて短期間の異動が多かっために魅力的なストーリーが少なく、正直言ってあまり魅力的なアプリカントではなかったと思います。このため、テストのスコアだけはしっかり確保した上で、ネットワーキングとエッセイ作業を行う方針で行きました。

■ なぜ今MBA?

率直な理由を言えばMBAってcoolだなと思ったからです。これだけではあまりに説明にならないので少し補足すると、私の周りの多くの人は、職業柄、留学といえば公共政策を専攻するのが普通です。この点私は、公共政策で学ぶことが実際の政策立案にそれほど役に立つとは思えず、極論すれば公共政策に進学してもただの語学留学と変わらないので面白くないと感じていました。その点、MBAなら世界中から野心的な学生が集まっており、新ビジネスについて熱心に議論したりする中に飛び込むことで、今までの生活では得られなかったような刺激を浴び続けることができます。せっかく留学できるのだから、このチャンスを最大限に活かそう、というのが私がMBAを志した率直な理由です。

 

これだけだとエッセイの参考にならないでしょうから、建前の理由も述べたいと思います。私は科学技術政策に携わっていましたが、我が国の科学技術政策は基礎研究に偏りがちで、大学の研究成果をビジネスにつなげるスキームが十分に確立していないと感じていました。産学連携はさかんに行われているのですが、自分がむしろ問題に感じていたのは、日本の大学における企業環境の脆弱さです。国内の大学では、起業家教育が十分に行われておらず、また起業しようにもサポートする環境・リソースが不足しています。アントレを中心にビジネススキルを全般的に学ぶとともに、米国のビジネススクールが、大学発ベンチャーの促進にどのように貢献しているかを学ぶことで、国内の状況を改善する足掛かりを掴みたい。これが私のMBA志望動機です。

■ スケジュール・費用

・スケジュール

2012年7月 :TOEFL初受験81点。この時点ではMBAは意識しておらず。

2012年11月 :MBAを意識し始めると同時に合格体験談を一気に読み漁る。

2012年12月 :この時点ではまだ派遣候補に内定するかどうか分からなかったが、見切り発車でTOEFLとGMATの公式ガイドを購入しリーディングを解き始めるとともに、独学でどうにもならないスピーキングはE4TGに1月から通うことに決める。

2013年1月 :      ・省内選考に通過し、MBA受験を本格的に開始する。

・E4TGに通い始める。(TOEFL対策クラスが混み合っていたため、最初は発音クラスから)

・TOEFL(2回目)受験するも、まさかのスコアキャンセル(涙)

2013年2月   :     ・E4TGのTOEFLクラスに通う。

・2月3日受験(3回目)⇒90点(R28.L23,S18,W21)。

・Writing対策でJackを始める。

・一段上の対策が必要と韓国で出版されているTOEFL対策本を購入。

・電車の中でもシャドウイングをして怒られる。

2013年3月   :     ・3月2日受験(4回目)⇒97点(R29,L23,S23,W22)

・引き続きE4TG、韓国本、JACK。JACKはいまいちだと思いながら惰性で続ける。

・3月30日受験(5回目)⇒102点(R30,L28,S19,W25)

2013年4月   :   ・3月末のTOEFLの結果が100点越えしてたため、TOEFL対策を続けるが迷うが、Donaldの進んで、一時、GMAT対策のためにTOEFL対策を中断することに。

・E4TGの購入済みの授業に引き続き出席。

・予約済みのTOEFL受験(6回目)するもまさかの92点(R29,L23,S15,W25)

・GMATのQuant、RC、CRの問題を本格的に解き始める。

・SC対策のため、YESに通い始める。

・引き続きJackからAWAの添削を受ける。AWAのテンプレは結構良かった。

・HBSの合格エッセイ集を読むなどして、Why MBA?の構想を練り始める。

2013年5月   :     ・公式ガイド、YESの教材を解く。

・本番一週間前にGMAT PREPを受けてみる。

・密かに一発終了を狙って5月19日初受験⇒690(V32, Q50)。一発終了とはならずも、次回は700点超え確実と勘違い。

2013年6月  :    ・公式ガイド、YESの教材に加え、苦手意識があるCRの参考書を追加購入して解いてみる。

・GMAT PrepやManhattan GMATを解く。

2013年7月  :
(GMAT)

・7月7日GMAT受験(2回目)も一回目と変化なしでショック⇒680(V32, Q50)

・まだまだSC対策が不十分であること、CRが苦手なこと、読解スピードが遅いこと(RC)に気づき、この夏はGMATに捧げることを決める。

・オフィシャルガイド、GMAT PREPだけでは演習量が不足していると気づき、Veritas prepやらKaplanのGMAT800などを追加購入。

(TOEFL)

・次のGMAT受験日を2か月先に設定したことにより、時間が出来たため、TOEFL再開を決意。105点超えを目指す。

・課題のWritingについて、テンプレートよりも内容と考えを改め、テンプレートにこだわらないスタイルを模索。

・新アプローチが奏功し、7月20日、106点取得(R29,L28,S22,W27)。⇒TOEFL終了。

(アプリ関係)

・AGOSのMBA夏祭りやら各校の説明会に参加を始める。

・おおよそ受験校を固める。

・有名カウンセラー(Adam Markus)にコンタクトを取るが、既に多数のクライアントを抱えており断られた。彼に紹介されたカウンセラーJessica Kingと契約を結ぶ。

・Jessicaは9月にならないと来日しないということで、当面GMAT、学校研究、英会話(レアジョブ)に専念することに。

2013年8月  :      ・各校の説明会に参加しつつ、引き続きYESに通い、ひたすらGMATの問題集を解く。本当に良く勉強したと思う。

2014年9月   :     ・9月5日受験(3回目)⇒720(V36, Q50)もうちょっと取れる気がしたが、さすがにエッセイを始めないとまずいのでGMAT終了。

・GMAT終了したので、エッセイ作成開始。ただし、カウンセラーの来日スケジュールの関係で、初セッションが9月21日になってしまい、思うようにスタートダッシュ出来ず。

・かつての上司に推薦状を依頼。

2014年10月 :  ・Resumeに2週間、Career goals, Why MBA?エッセイに1か月半ほど要する。

2014年11月 :  ・Kelloggへの出願を1か月後に控え、ようやく推薦状に着手。個人的にはエッセイより推薦状の方が大変で、出願直前まで悩まされることに。

・Kelloggのエッセイを一つずつ完成させるも、Video Essayの存在に気づき驚愕する。結局、まともな対策をとらないまま適当に終わらせ、何とかKellogg出願パッケージを揃える。

・知人を通じて各校の在校生と連絡を取り、Skypeでいろいろ教えてもらう。

2014 年12月 :    ・12月3日、Kellogg出願(2R)

・怒濤のエッセイ作成作業に突入する。当初計9校出願予定だったが、Dukeへの出願を諦める。

・ネットワークが弱いと感じていた出願校の卒業生や在校生を知人を通じて紹介してもらう。エッセイと仕事で謀殺される中でも年末年始で5人と話をした。もっと早い段階でやるべきだったと後悔。

・年末年始は風邪を引いて体調不良の中、血を吐きそうな勢いでスターバックスにこもって作業を続ける。カウンセラーには年末年始だけで5回も会った。。。

2014年1月  :・1月2日Ross, Tepper出願。

・1月7日MIT、UCLA出願

・1月8日Stanford、Haas出願。体力の限界。。。

・既に7校出願し、モチベーションが低下していたが、何とかMcCombsへの出願準備を進める。

・同時に1月下旬のキャンパスビジットに向けて調整開始。

・1月11日TepperよりInvitation

・1月18日RossよりInvitation

・1月21日McCombs出願。

・McCombs出願後、インタビュートレーニング開始。といいつつ、キャンパスビジットの準備で忙しかったため、結局ビジット中に想定問答を仕上げるはめに。

・1月26~2月1日キャンパスビジット(MIT, Kellogg, Ross, Stanfordを実質4日で弾丸ツアー)

2014年2月  :    ・自宅でinterviewの練習をしながら随時想定問答をブラッシュアップ

・2月5日KelloggよりInvitation(Kelloggは全員インタビュー受ける。)

・2月7日McCombsよりInvitation。ここまで順調に来ているので歓喜。

・Jessicaの紹介を受け、Steven Greenのインタビュートレーニング受ける(2回)。Stevenは一見高いように見えるが、内容が濃いので超お勧め。

・さらにMatthewというカウンセラーを見つけてインタビュートレーニング受ける(2回)

・2月16日Ross Interview。日本人卒業生と。2時間以上もの長丁場で疲れ果てたがそれなりに手応えあり。

・その後、Kellogg(日本人卒業生とオフキャンパス),Tepper(アドミッションとスカイプ), McCombs(日本人卒業生とオフキャンパス)とinterviewをこなす。Tepperのインタビューではレジュメの職歴に不備があることを指摘され超あせる。

・順調にinterviewをこなす一方で、Stanford, MIT, Haas, UCLAから一切連絡がなく、嫌な予感がし始める。

2014年3月  :    ・3月1日MITより不合格通知。Interviewにも呼ばれず凹む。

・3月4日職場でお昼休みに入った頃にKelloggから突然携帯宛に電話が来る。Resumeの不備があった部分について質問されるほか、convincingでない点についていくつか質問された。突然の電話に慌てふためき、しどろもどろな回答で終わりさらに凹む。

・3月5日Stanfordより不合格通知。またもやInterviewにも呼ばれず激しく凹む。

・HaasやUCLAからは何の連絡もなく、悶々とした思いを続けながら、3rdの準備を始めるも業務が爆発しはじめ精神的にしんどい日々を過ごす。。。

・3月13日Rossより合格通知(メール)!ようやく胃痛から解放される。

・3月19日McCombsより合格通知(メール)。出願校で唯一、全くネットワークしていないところだが、それでも受かるもんだなと思った。

・3月20日思いがけずUCLAよりInvitation。発表日まで2週間を切り、既に諦めていたので非常に驚いた。ほぼRossに進学を決めかけていたが、一応受けることに。

・3月25日Tepperより合格通知(メール)。合格者には早めに連絡が来ると思っていたら、発表日当日まで来なかったのでおかしいなと思ったけどちゃんと受かってた。

・3月26日Kellloggより不合格通知。上旬の電話でしどろもどろになったのが原因。

・3月27日UCLA Interview(Admission)。和やかな感じで進んだが結局不合格。

2014年4月  :    ・Rossに進学決定。

 

・費用

合計略190万円

 

■ TOEFL

<総論>

リーディングは初受験時点で26でしたので問題ありませんでしたし、リスニングもTOEICより遅いので、集中力だけの問題でした。最大の問題はスピーキングで、初受験時14点。特にTask1&2では全く話せずに終わり、最後まで苦手意識が抜けませんでした。そういうわけで、私のTOEFL対策は如何にスピーキングで安定して20点以上を取れるようにするかということに尽きるものだったと思います。なお、TOEFLの問題集は絶対に韓国のものを購入した方が良いです。国内で流通しているものはいずれも本番とほど遠いクオリティな上に、量が少ないので、十分な演習が出来ません。購入方法は次のブログを参考にしてください。http://andymina.blog136.fc2.com/

 

<リーディング>

・公式ガイド:基本です。

・GMATの公式ガイド:所詮読解なので、TOEFLの問題形式にこだわる必要はありません。

・TOEFL MAP Reading Advanced (Darakwon):韓国のTOEFL本。圧倒的な問題量。分野別になっているので、苦手分野を集中的に克服可能。韓国本だが全て英語で書いてあるので、ハングルが読めないという心配はありません。

・スマホの暗記カードアプリ:単語帳はいろいろ試しましたが、結論として、自分は単語帳は合わないので、自分で単語を登録できるアプリを利用して毎日復習してました。最終的に3800単語を登録し、毎日300単語ほど復習することを日課としていました。

 

<リスニング>

・TOEFL MAP Listening Advanced (Darakwon):韓国本です。本番に極めて忠実であり、かつ、圧倒的な問題量で、これさえあれば他に手を出す必要がないと断言できます。

・TOEFL必須英単語5000:語彙力強化を兼ねて

 

<スピーキング>

・E4TG:本気で100点超えを目指す人には絶対お勧めです。Task1&2で回答のネタが思いつかない悩みから抜け出せます。

・TOEFL FINAL TEST SPEAKING(USHER):韓国本です。Task1,2の過去問リスト部分が使えます。E4TGのテクニックをアウトプットするのに最適です。

 

<ライティング>

・最初はJACKを使っていましたが、最終的にはテンプレにこだわらず、中身を充実させるようにしたら自然に点数が伸びました。結局のところ、どのような構成にするにしてもbodyにexampleを豊富に織り交ぜることが高得点への近道だと思います。

・TOEFL FINAL TEST WRITING(USHER):韓国本です。ヒントを得るために回答例をいくつか参照してみた程度です。極めてシンプルなテンプレのみを使用しており、この本のおかげでテンプレは関係ないと気づくことができました。

■ GMAT

<総論>

・TOEICで文法力は鍛えていましたし、リーディングは得意だったので最初から結構自信がありました。ただ、Vは絶対的に時間が足りない試験なので、RCもCRも点数が伸び悩みがち、最終的にはRC,CR,SCいずれも7割台の正答率を出せるように伸ばすような感じでした。

・Q, IRは慣れればすぐに満点近く取れるし、AWAは4.5取れれば十分なので、Verval対策に全力を投入すべきです。

・Vervalの点数を伸ばすには、結局の所、地力(語彙力、速読力)の底上げが必要です。

・SCは正しいアプローチをマスターしないで闇雲に問題を解いても点数は伸びません。いきなり公式ガイドから解き始めるのはやめましょう。とにかくタイムマネジメントが極めて重要です。GMAT PREPやManhattan GMATのオンライン模試で練習してください。私はGMAT PREPやManhattan GMATの結果と自分が間違った箇所を分析して、どのような解き方が一番自分にとって点数が出やすいかを徹底的に分析しました。結果、自分の場合は、最初の33問程度をじっくり解き、34~38問目ぐらいをランダムクリックして、残りの3問程度をまたじっくり解くというスタイルに落ち着きました。ランダムクリックしてもV36は確実に狙えます。

・なお、理系でもQで満点を狙うのはかなり難しい(運)ので、50点取れれば十分と割り切った方がよいと思います。

 

<RC>

・公式ガイド

・GMAT PREP

・Manhattan GMAT:オンライン模試のみ使用。

・Veritas Prep:日本人で他に使っている人を見かけませんが、RCは演習不足になりがちなので、演習不足を補うために購入しました。CRも有益ですが、SCは本番と全く傾向が違うので手を出さないで下さい。

・KAPLAN GMAT 800:難問を解くために使用。

・スマホの暗記カードアプリ:単語力強化。

 

<CR>

・公式ガイド

・GMAT PREP

・Manhattan GMAT:オンライン模試のみ使用。

・Veritas Prep:演習不足を補うために使用。

・KAPLAN GMAT 800:難問を解くために使用。

 

<SC>

・YES:闇雲に公式ガイドを解き始める前にYESに通って正しいアプローチをマスターするべき。私は基本的に独学派ですが、吉井先生の授業は通ってよかったと心から思います。ちなみに、私はYESの問題を復習するだけで精一杯だったので、公式ガイドのSCはほとんど手を出さずに終わりました。

・GMAT PREP

 

<Quant>

・公式ガイド、GMAT PREPだけやれば十分。

 

<AWA>

・JACKのテンプレが有効。頭を使わずに4.5取れる。ただし、どうしても5.0以上取りたい場合は中身が重要なので、JACKのテンプレでは難しいと思う。

 

<IR>

・GMAT PREPだけやれば十分。

■ エッセイ

Jessica Kingにお願いしました。彼女はinterview trainerとしての評価の方が高く、エッセイカウンセリングの実績はあまり高くない模様ですが、彼女のエッセイカウンセリングはとても真摯で的確だったので、私は非常に満足しています。特に、彼女は決してゴーストライトをしないので、全て本当の意味で自力で書き上げることになり、完成して実際に出願したエッセイには強い思い入れを持つことができたのが良かったと思います。仕事をしながら8校分のエッセイ自力で書き上げるのは本当につらかったですが、英語で自分を書き表す非常に良いトレーニングになったとも思います。

なお、最初から日本人のカウンセラーを使うことは考えていませんでした。その理由は、スピーキング力が最大の課題だったため、少しでも英語を話す機会を増やそうと考えたからです。この選択は間違いではなかったとインタビュー対策の時に強く感じました。

■ 推薦状

過去の上司二人に頼んだのですが、職業柄、異動の回数が多く、付き合った年月が短かったため、推薦状のネタ出しにはエッセイ以上に苦しめられました。。。推薦状で課される質問リストも早い段階で作成しておいて、ネタ出しをしておいた方がよいと思います。その代わり、早い段階で一校分作ってしまえば、エッセイ以上に使い回しが聞くので、後の作業が格段と楽になります。

 

■ 志望校選定

自分の志望校選定基準は以下の通りです。この結果、東西南北、幅広く受けることになりました。

・アントレに強い

・technology commercializationのプロジェクトがある。

 

最後にRoss進学を決めた理由は、ランキングが一番高かったのと、キャンパスビジットしたときに感じた雰囲気がとても良かったからです。RossはEntrepreneurship教育の評価が高く(プリンストンレビュー誌で1位)、また学生が運営するinvestment fundを初めて導入したビジネススクールであり、このfundの規模は他に例を見ません。アントレというとボストンや西海岸を思い浮かべがちですが、アントレ志望の方は是非Rossも選択肢の一つにしてみてください。

■ インタビュー

これが最大の難関でした。何せ本当に英語が話せませんでしたから。。。それでもカウンセラーとのディスカッションを通じてかなり会話力が向上していたので、想定問答をしっかり作って、モックインタビューを繰り返すことで何とか乗り切れた感じです。どんな変化球が来ても対応できるよう、40問ほどの想定問答を作って、全ての回答を1分以内で答えられるように何度も何度も練習しました。この際、重要なのは、実際に口に出してみることで、違和感があったり、言いづらいなと思う表現を何度も何度も修正していくことです。練習と修正を繰り返すことでどんどん回答が洗練されたものになっていきます。

■ その他提出書類

大学の成績証明書

■ アプリ提出後

上述の面接対策とキャンパスビジット

■ その他役立つ情報

・出願するタイミングについて

私の場合、9月までGMATに専念していたのでR2で8校も出願するという羽目になりましたが、精神衛生上良くないのと、負担を分散するという観点からR1から出願することを強くお勧めします。今思えば5月時点でGMAT690点あったので、何でそうしなかったんだろうかと少しばかり後悔しています。出願すればするほどエッセイのクオリティは高くなりますし、R1のうちに合格校を確保しておけば精神的に有利に事を運べますので、多少スコアが足りてなくても、出来る限りR1から出願されると良いと思います。

 

・ネットワーキング

私にとってネットワーキングはまさに出会いの場でした。職業柄、MBAホルダーと出会う機会がなかったので、様々な業界から集まり、様々な業界で活躍するMBAホルダー達との会話はいつも刺激的で非常に楽しいものでした。中には私のキャリアゴールについて真剣にディスカッションしていただき、有益な示唆を与えてくれた方もいたぐらいです。もちろんMBA受験に必要なtipsを得るという目的もあるのですが、それ以上のbenefitsがあると思うので、時間の許す限りネットワーキングをされると良いと思います。なお、ネットワーキングが合否に直結するかというと、必ずしも合否に関わるものではないのではないかと思います。一部の学校はネットワーキングを重視することで知られていますが、多くの学校はそれほど重視していないのではないかというのが自分の実感です。私の場合は一つの学校で多くても4人程度からしか話を聞いていませんし、合格した学校の中には全く話を聞いていないところもあります。受験対策上という意味では、テストやエッセイ以上にプライオリティが置かれるべきものではないと思います。

 

・キャンパスビジット

キャンパスビジットは私は業務の都合上、アプリ提出後、インタビュー前の隙間を狙っていくしかありませんでした。タイミングとしてはとてもベストとは言えませんが、それでも行ってよかったと思います。特にRossについてはビジットした際の雰囲気がとても良く、ビジット後に一気に志望度が上がりました。ビジットで好感が持てたところに進学することができたのは本当に良かったと思います。Practicalな意味でも、ビジットしたことでインタビューで話せるネタができたのは良かったと思います。スピーキング力に不安があったので、他人と差別化できるネタが一つ多いだけでも安心してインタビューに臨めるという意味で、精神衛生上も行ってよかったと思います。

ビジットの際に注意すべきは、実際に授業をやっているかどうかです。意外に1月下旬は多くの学校が授業を行っていなかったので、ビジットをする時期は慎重に検討するとよいと思います。

 

・エッセイとスコアの重要性について

よくエッセイが最重要で、あたかもスコアが重要でないような体験談を目にしますが、受験を終えてみて、自分が思う以上にビジネススクールはscore consciousだなと感じました。最初に断っておきますが、これは学校によってスコアとエッセイの取り扱い方に大きな違いがあるので、一概には言えません。ですが、私が受験した学校の中にはアプリ提出後、10日足らずでinvitationを送ってくるところもありました。この時点でエッセイを読んでいないのは明らかで、resumeとスコアだけでinvitationを送るかどうかの判断をしていたということだと思います。また、自分のエッセイのクオリティの高さと合否も正直言ってあまり相関関係がなかったなぁと感じています。どうしてこの程度のクオリティのエッセイでA校は受かったのに、よりクオリティの高いエッセイを出したB校は落ちたんだろうかと感じることがままありました。一部の大逆転体験談を鵜呑みにして、スコアを軽視しないようにくれぐれも気を付けていただければと思います。(大逆転する方には逆転するだけの何かがあるのです。)

■ 受験を振り返って

MBA受験はしんどいプロセスでしたが、このプロセスそのものが人間として大きな成長をもたらすものだったと感じています。多くの出会いを通じて今まで見たこともない世界に足を踏み入れ、エッセイを通じて自分のこれまでの人生を振り返り、将来のキャリアゴールを見つめなおす。これら全てがMBA受験を通じてしか得ることが出来ない経験であり、これだけでも価値があったと自信を持って言えます。これを読んでいる皆様も、是非MBA受験を単なる受験に終わらせず、受験を通じて様々な学びを得られる機会にしていただければ幸いです。受験が終わった暁には、美味しいお酒と最高に刺激的な出会いの場が待ってますよ。

 

最後に、もし何か疑問点、お役に立てることがございましたら、お問い合わせ経由でお気軽にご連絡いただければ幸いです。皆様の成功を心よりお祈りしております。

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