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■基本情報
【ハンドルネーム】 ギャルソン
【進学先】 HEC Paris
【辞退】 IE
【不合格校】 LBS, IESE, ESADE
【年齢・性別】 31歳 男
【職歴】 日系コンサルティングファーム5年、外資系コンサルティングファーム2年
【私費/派遣】 私費
【最終学歴】 慶應義塾大学経済学部
【GPA】 2.5 (泣)
【IELTS】 IELTS 7.0 (ただし出願時は6.5) L:7.0、R:8.0、W:6.0、S:6.5
【GMAT】 600(泣)
【海外経験】 大学時代にアメリカに短期留学、あとはプロジェクトでの出張と旅行
【コメント】 男・私費・純ドメ・低スコアでもきちんとした出願戦略を練れば上位校でも合格できると思います。受験は非常につらい時期もありますが、乗り越えることができれば単に合格するだけでなく、過去に受験を経験した先輩や友人とのネットワークなど貴重な経験も得られますのでぜひチャレンジしてみてください。あと、IELTSはおススメです。
■ なぜ今MBA?
・コンサルティング業界で7年間働いてきたが、IT、人事など分野特化型であり、キャリアアップのためにストラテジーやマーケティングなどを含めた体系的なスキルを身につけたい
・年齢を考えると大きなキャリアップやチェンジを狙うにはこのまま仕事を続けるよりもMBAという“飛び道具”がほしい
・近い将来海外に出たいという思いがあり、そのために必要な経歴、英語力、スキルを身につけたい
・人生の大部分を日本で過ごしてきたため、Diversityな環境で自分の価値観を一度リセットしたい
■ スケジュール・費用
スケジュール
2012年9月:MBA受験開始
2012年11月:IELTS初回5.5 以降毎月受験
2013年1月:濱口塾入塾
2013年2月:IELTS 6.5、GMATとの同時並行開始
2013年6月:GMAT初受験 520 (M:48 V:15 )
2013年8月:カウンセラー探し、Jeffに決定、IELTS, GMAT, Essayの3重苦生活
2013年8月:GMAT2回目 570 (M:49 V:19)
2013年10月:GMAT3回目 600 (M:50 V:22) 出願スコア
2013年12月:GMAT4回目590 (M:49 V:22) 年明けの出願を断念
2014年1月:GMAT5回目570 (M:49 V:19)
もう1年延期はしたくなかったのでカウンセラーと相談のうえ、一か八かこの状態でアプライを決意
2013年2~3月初旬:5校にアプライ
2013年3月:IE,IESE,ESADE,HECからインタビューインビテーション
2013年3~4月初旬:4校のインタビュー
2013年5月:HECから合格通知!!(受験終了)
費用
・予備校代:約150万
・受験料:IELTS 約30万(12回)、GMAT :約15万(5回+リスケ代)
・参考書代: 約5万
合計:約200万
■ 予備校選び
・GMAT:濱口塾(35万)
・IELTS:GLアカデミア、UK-Plus(ライティング、スピーキングのみ、計15万)
・エッセイ:Roah Consulting(80万)
・インタビュー:Matthew×5回(8万)、
■ レジュメ
8月からJeff(エッセーカウンセラー)と共同で1週間くらいで書き上げました。気を付けたのは以下の点です。
・ビジネス経験、海外経験、課外活動経験をバランスよく組み込む
・なるべく多くのプロジェクト経験やスキルがあることを示す
・金額、人数、期間など具体的な数値を入れる
■ IELTS 最高L:7.0、R:8.0、W:6.0、S:6.5 Overall:7.0
最低:Overall:5.5
最初からヨーロッパ1本だったため受験の早い段階からIELTSに絞って勉強しました(TOEFLは最初の2回ほど受けて玉砕しましたが、友人からIELTSの存在を教えてもらい、その後はIELTSに専念)。TOEFLと比較してLとSのスコアが取りやすいため、これらが苦手な方、時間がない方、ヨーロッパしか狙っていない方はおすすめです。参考書や予備校の講座も私が受験を始めてから1年半の間にかなり充実してきたと思います。ただし、TOEFLと比較して申し込み~受験~結果、までに時間がかかること、また、最近受験者が激増していることなどから早めに数回分を申し込んだほうがよいと思います(1回あたり2.5万円かかるので、申し込むたびに泣きそうになりますが)。東京近辺に住んでいる方であれば横浜でも受験でき、こちらは1日で受験が終わるのでおススメです。受験の忙しい時期に土日両方をつぶすのは痛いです。
使用した参考書:Cambridge7~9、TOEFL3800、雅思考官IELTS Speaking (中国で売られている参考書で中国のAmazonで買えます)、他TOEFLのリスニング用教材
単語:TOEFL3800のRank3まで覚えれば十分だと思います。最近はIELTS専用の単語集も出ているようなのでそのほうがよいかもしれません。
L:TOEFL用のCDを聞き込んだ後、Cambridgeで問題演習という形で対策しました。IELTSのLではポーズの時間にどれだけ問題文、設問文を先読みできるかが勝負なので速読力も重要だと思います。また、一般的には1→2→3→4の順に難しくなると言われていますが、個人的にはディクテーション形式の4よりも選択問題が多い3のほうが難しいと感じました。
R:制限時間は厳しいですが、高得点がとりやすく、WやSが苦手な人にとってはここで稼ぐ必要があります。Rではある程度の語彙力と読解力があればあとはテクニカルな要素が強いので、予備校等で解き方を教わり、あとはCambridgeで練習すれば7は固いと思います。
W:最も苦労しました。最後まで7.0は取れませんでした。あまり語れることはありませんがTASK1は使う表現、単語をストックして決めておくこと、TASK2でも汎用的に使いまわせるネタをいくつか持っておき、なるべくそこにもっていくようにすることで安定的にある程度の点は取れました(6.0-6.5)。自分の場合TASK1に時間を使いすぎて2を急いで書かなければならないことが多かったので1を15分くらいで書き上げるようにすれば余裕のある回答ができるはずです。IELTSのライティングは実際の採点を行ったことがある方から直接添削を受けてみないとどこが悪くて点数が出ないのかがわかりづらいので、予備校やオンラインレッスンを利用したほうがよいと思います。
S:上記の中国の参考書が最高です。受験熱が半端じゃない国で作られているだけあって最低基準を明確にしたうえで、「何を話せば高得点がでるのか」を示しています。この本にある構文を暗記して、本番は不自然にならない範囲でゆっくりしゃべることを心がければ7.0(最低でも6.5)取れると思います。日本でIELTSを受験する場合、面接官は日本人の下手な英語に慣れているためか?スピードが遅くても減点されません。したがって暗記で対応できない部分を頭の中で考える時間を残すためにもゆっくり話すことが大事だと思います。またパート2は2分未満で終えるよりも2分を過ぎて試験官が止めるまで話し続けると高得点が出やすくなります。したがって、与えられた4つの質問の他にも2つくらい自分で質問を設定して合計6問くらいの設問に答えるつもりで臨むとよいと思います。
■ GMAT
使用した参考書:濱口塾の教材、マスアカ
非常に苦労しました。ここで語れることはあまりないので他の方の体験談を参考にしてください。(私は濱口塾に通って、結果がでませんでしたが周りの受験仲間には700 overがたくさんいます)。アメリカの学校と違って、ヨーロッパの場合はトップ校でもGMATのスコアにはあまり厳しくないところが多いのでここでの高得点が無理だと思ったら他で勝負と割り切るという戦略もありかもしれません(LBSでも600前半で合格する方がいらっしゃいます)。IEではGMATの代わりに独自テストがあるのでそれで受ける手もあります。また、抜け道としてGMATの代わりにGREで受験するという方法もあるようです(一部受験できない学校もあります)。
■ エッセイ
男・私費・(ほぼ)純ドメ・低スコア・低GPAの自分にとってはここで勝負でした。8月から何人かのカウンセラーとコンタクトを取って、バックグラウンドが近く、一番相性がよさそうなJeffを選びましたが、結果これが私の受験における一番のDecision Makingでした。上記のスコアでもほとんどの学校でインタビューまでたどり着けたのは間違いなくエッセイの質が高かったからだと思います。①合格者のエッセイの読み込み→②ネタ出し→③Why MBA作成→④個々の学校のエッセイ作成の順で進めました。
① 合格者のエッセイを参考にして、トップ校の合格者の経験レベル、内容の深さなどレベル感を把握しました(最初はレベルの高さにビビるかもしれませんが、最終的には同じくらいのレベルのものができるので過度に心配にならなくてよいと思います)。
② 非常に重要なステップです。幼少期から学生時代、現在まで、仕事、趣味、ボランティア、海外経験まで色んな観点からできる限りリストアップしました。
③ カウンセラーと2,3回ディスカッションしながら作成しました。最初はかなり漠然としていましたが、うまくJeffがコーチングして一貫性のあるストーリーに仕上がりました。ここで短期間でぶれないものを作れたことは、テストスコアで苦しみ続けてエッセイにあまり時間が割けなかった自分にとって非常に大きかったと感じています。
・自分の生い立ち~学生時代→これまでの仕事→MBA取りたくなったきっかけ→Short-term Goal→Long-term Goalというストーリーが伝わるように書く
・Short-term Goalは現実的に書く。今と卒業直後にありたい姿のギャップを埋めに必要な要素を具体的かつ、それらがMBAプログラムで得られることがわかるように書く。
・本音にこだわりすぎない。エッセイに書く内容と自分の本当の本音は別のものであってもよい(エッセイではあくまでもストーリーやロジックを重視し、でも本音では“よりよい仕事に就きたい”、“とにかく留学したい”、“今の仕事で将来が見えないからキャリアチェンジしたい”でも全然アリだと思います)。
④ 設問数の多い学校から作成することで3校目あたりからは数日で書けました。意識したのは
・最近はエッセイの本数が減っている学校が多いのでカウンセラーとどのネタを選択するか、事前に話し合う
・どの学校でも海外経験、リーダー経験、課外活動経験などをバランスよく組み込む
・アプリケーションの他の要素も含めて自分がどのような人物なのかがわかるように伝える
・Why this school?のところで書くネタはHPだけでなく、在校生とのチャット、説明会、などに参加し、そこで具体的かつ生の情報を元にする(理想はCampus Visitしてその内容を書くのがベストですが、時間的に無理だったため)。
■ 推薦状
2通とも仕事関連の方にお願いしました。あまり特別なことは言えませんが、自分の仕事ぶりをよく知っている人から超具体的に書いてもらうことが大事だと思います。多くの合格者や学校が言っているようにコンテンツが最重要です。
■ 志望校選定
・上位校である(世界ランキングで20位くらいまで)
・Diversityな環境、
・IELTSが使える
・GPAにあまり厳しくない
・比較的長いプログラムである
という基準で選びました。IELTSが使える学校ということで受験の早い段階からヨーロッパ一本で考えていました。その中で基準を満たすヨーロッパの5校に出願しました。正直なところ、私は国や都市はどこでもよい、入ればどこでもその学校を好きになる、と思っていましたので、出願時点では特定の学校へのこだわりはあまりなく、上位校かつ入れそうなところはどこか、という基準で合格者データと自分のバックグラウンド・スコアなど考慮しながら決めました。最近のMBA受験は非常に厳しいものがありますので(特にUSの場合GMAT700 overでもトップ校全滅などはざらにあります)、want(行きたい)とcan(受かる)の両方の視点で学校選びをすることは重要だと思います。結果、自分のテストスコアやバックグラウンドからすると非常に満足のいく最終結果になりました。
■ インタビュー
エッセイと並んで非常に重要なファクターです。そしてトレーニング次第で大きく差がつくところでもあります。
カウンセラーから質問リストをもらい、それに対してポイントだけをまとめた回答集を1週間くらいかけて作成しました。それをもとに、カウンセラーやMatthew、あとレアジョブも使って練習しました。話すネタはエッセイとほぼ同じなので、簡潔にまとめて伝えることと、ゆっくり話すこと、覚えたことを吐き出すのではなく自然に話すことを重視してトレーニングしました。また先に出願した友人から色々とTipsをもらえて先に対策を立てていたおかげで救われたことが何度かありました。HECではプレゼンテーションがありましたので、スライドをカウンセラーに添削してもらった後、話す内容までチェックしてもらいました。おかげでここは問題なく終えられました。
■ その他提出書類
成績証明書、卒業証明書
■ アプリ提出後
低スコアでの出願だったため、戦々恐々でしたが、通ると信じてインタビューの対策に専念しました。
■ その他役立つ情報
趣味(自分の場合はスポーツとか音楽)やボランティアは辞めずにぜひ続けたほうがよいと思います。レジュメ・エッセーにも書けますし、いい気分転換にもなります。どこかで聞いた話ですが、日本人はあまり課外活動に熱心ではないとのことですので、やれば差別化要因になると思います。
■ 受験を振り返って
年々日本人にとって上位MBAへの合格は厳しくなっていると思います。が、受験を振り返って思うことは
・通説に惑わされず、自分できちん事実を調べる
「トップ校はGMAT700、最低でも600後半はないと受からない」、「A校は社費しかとらない」、などという人がいますが、本当にそうかきちんと自分で調べてみたほうがよいと思います。AGOSが公表している出願データなどから調べられます。あるいは実績があり、信頼できるカウンセラーに相談するのもよいと思います。そうすることで自分でも何とかなるかもしれない、と思えればモチベーションも変わってきます。
・あきらめない
何度も試験を受けてスコアが出ないとやる気がなくなりそうになるときがあると思います(私もそうです)。ですが、私含めて最後までやりきった人は最後のほうでギリギリのところでスコアが出て実際受かっています。なので、月並みですが最後まであきらめずにやりきることは非常に大事だと思います。特に、私費受験生の場合はあきらめる言い訳が簡単に作れてしまうので受験仲間などを作ってモチベーションをうまくコントロールすることが大事だと思います。
最後になりますが、受験を終えた今は本当に最高の気持ちです。大きな目標を達成した充実感や途中のプロセスで得た貴重な経験や様々な人との出会い、これから待ち受ける最高の生活を想像したときのワクワク感などは実際にやってみないと得られないものです。皆様がぜひMBA受験にチャレンジし、良い結果が得られることをお祈りします。